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49.9℃観測も 車内で焼き豚ができるほど暑いオーストラリア

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
18日の日最高気温(出典元: オーストラリア気象局)

17日に国内史上もっとも暑い日を記録したオーストラリアですが、早速その記録が塗り替えられてしまいました。18日には、全観測地点の最高気温の平均が41.9℃となり、前日の40.9℃を1℃も上回ったのです。ちなみにこの時期の平均は20℃台ですから、恐ろしいほどの熱波に見舞われていることが分かります。

続く19日には、南部のPort Augustaで48.4℃、Wudinnaで48.1℃まで気温が上がりました。またアデレードでは45.3℃、首都キャンベラでは39.3℃まで上がって、どちらも12月の観測史上最高気温を更新しました。さらに驚くことに、南部Nullarborでは49.9℃となって、オーストラリア史上4番目に高い気温、かつ世界の12月の観測史上最高気温となったもようです。

車内で焼き豚

この時期の平均を10℃~20℃も上回るような気温ですが、実際どのような暑さなのでしょうか。

なんと、車内で料理ができるくらい暑いようです。

ペンゲリーさんという男性が、最高気温が39℃まで上昇した西オーストラリア州のパースで、面白い試みをしました。1.5キロの豚肉を車内に放置したところ、昼間には車内の気温が81℃まで上がって、10時間後には肉の中まで火が通った、おいしいローストポークができたようです。ペンゲリーさんは、次回はローストビーフに挑戦したいと意気込んでいました。

今起きていること

オーストラリアでは2017年からの少雨の影響もあり、今年は異例に早くから山火事シーズンが始まりました。ニューサウスウェールズ州では、270万ヘクタールが焼失し、ユネスコ世界遺産であるブルーマウンテンの20%が被害に遭ったと伝えられています。これまでのところ6人が死亡、2,000頭のコアラが犠牲になったともいわれていますが、悲しいことに、山火事の脅威は当分収まりそうにありません。

熱中症とみられる原因で犬が死亡したり、死んだオオコオモリが木から落ちてきたりしたとも報告されています。ちなみにオオコオモリは、昨年11月の熱波でも23,000匹が死亡したとニュースになりました。

今後の予想

この熱波はいつまで続くのでしょうか。

オーストラリア気象局の予報を元に筆者作成。単位は℃。
オーストラリア気象局の予報を元に筆者作成。単位は℃。

上は21日までの最高気温の予想です。この先も40℃超えの暑さが続き、20日のアデレードは観測史上最高気温に達する恐れも出ています。また内陸の一部では、50℃近くまで気温が上がる見込みで、オーストラリア全土における国内最高気温記録の50.7℃に近づく可能性もあります。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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