「台風5号」はアジア諸国にどんな影響をもたらすのか

台風5号の衛星画像 (出典元: フィリピン気象局)

台風5号がフィリピンの東の海上に発生しました。台風は週末にかけて北上し、台湾、南西諸島、中国や朝鮮半島に接近または上陸する見込みです。大雨が心配される一方で、干ばつや熱波が続く地域では恵みの雨ともなりそうです。

16日(火)フィリピンの東の海上に、今年5つ目の台風が発生しました。国際名はダナスで、タガログ語で「経験すること」を意味します。

台風のいまと今後

5号の予想進路図 (出典元: 気象庁)
5号の予想進路図 (出典元: 気象庁)

日本時間16日(火)21時時点のダナスの中心気圧は994hPa、最大風速は18メートルです。

台風の中心は海上にありますが、フィリピン東岸に強風域がかかっており、15メートル以上の風が吹いています。フィリピンは6月14日から夏のモンスーンが始まっていますが、台風の中心に向かって吹く風の影響で南西風が強まり、中部では24時間で130ミリの雨が観測されました。

ダナスは今後やや発達しながら、18日(木)頃に台湾や南西諸島に接近する見込みです。さらに週末にかけて中国東部や韓国、北朝鮮などに近づくおそれがあります。

日本への影響

ダナスは、こうした地域にどのような影響をもたらすのでしょうか。

台風が接近するおそれのある南西諸島では、18日(木)を中心に大雨や強風が予想されます。また台風からの湿った風が梅雨前線に向かって流入するため、週後半は西日本を中心に大雨に警戒が必要となります。

しかし反対に、台風が近づくことで太平洋高気圧の勢力が強まって、週明けからは夏らしい陽気ともなりそうです。

台湾や朝鮮半島への影響

ダナスの直撃が懸念される台湾や朝鮮半島でも大雨が予想され、洪水や土砂災害が心配されますが、一方で恵みの雨ともなりそうです。

台湾の気象局のデータを参考に筆者作成
台湾の気象局のデータを参考に筆者作成

というのも台湾では熱波が続いており、例えば台北では7月1日からほぼ毎日最高気温が34℃を超えています。しかし5号の接近で17日(水)からは雨が予想されており、この影響で気温は30℃以下まで下がる見込みです。

韓国でも記録的な高温が続いています。ソウルでは今月6日(土)に36.1℃まで気温が上がり、7月上旬としては観測史上2番目の高温を記録しました。

さらに北朝鮮では、春から続く少雨と高温の影響で、米などの農作物に大きな打撃が出ています。国連によると国民の約半数にあたる1,200万人が食糧不足に直面しているとのことです。

このように台風5号は、土砂災害などの危険をもたらす一方で、場所によっては待望の雨を降らせることにもなりそうです。