ホワイトハウスも浸水 アメリカ首都で「洪水特別警報」発令
8日朝、アメリカ首都ワシントンDC周辺で記録的な大雨が降り、数年来の洪水が起きました。
川の水位が30分で2メートル以上も上昇したほか、多くの道路が冠水し、車数百台が立ち往生しました。また地下鉄の構内でも水が滝のように天井から流れ落ちました。
雨の影響は国家機関にも及びました。
ホワイトハウスの地下室にあるプレスルームが水浸しになった他、国立公文書館でも浸水や停電が起き、閉鎖となったほどでした。ただ幸いなことに、アメリカ独立宣言の宣言書など重要な資料などに被害はなかったようです。
大雨の原因
この大雨の原因は、停滞前線とその上にできたメソ低気圧(小さな低気圧)、さらに7月としては記録的に湿った空気が流れ込んだことが考えられます。
ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港では、朝9時からの1時間に、7月の月間降水量にほぼ匹敵する84ミリの雨が降りました。これほどの雨がこの地域に降るのは、200年に1度の確率とのことです。
洪水特別警報発令
大雨が降った当時、気象局はワシントンDCとその周辺に「洪水特別(緊急)警報(Flash flood emergency)」を発令し、「IMMEDIATE ACTION IS REQUIRED TO SAVE YOUR LIFE!(直ちに命を守る行動を!)」と住民に呼びかけを行っていました。この警報が出されるのは極めて珍しいことです。
この特別警報はどのような場合に出されるのでしょうか。
気象局のサイトには「洪水によって人命への脅威や壊滅的な被害が発生、もしくは今にも発生しそうな非常に稀な事態」に発令されると書かれてあります。避難以外は外に出てはいけない状態です。
洪水特別警報は、昨年にもハリケーン・フローレンスが上陸したノースカロライナ州や、「1000年に一度」の大規模な洪水が起きたメリーランド州などで出されています。
国内では先週、九州南部を襲った記録的な豪雨を受けて、気象庁が「大雨特別警報」を出す可能性を示唆していましたが、アメリカの洪水特別警報もこれと同じような概念と言えます。