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30年ぶりの大型竜巻が発生 米シアトル近郊

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
シアトルの町(写真:アフロ)

18日(火)アメリカ北西部の都市シアトル近郊で竜巻が発生しました。この地域に、しかもこの時期に竜巻が起こるのは、非常に珍しいことです。これまでのところケガ人などは報告されていませんが、建物が損壊するなど被害が出ています。

竜巻の映像

18日(火)ワシントン州シアトルから西に20キロほど離れたポートオーチャードの町に、大きな竜巻が発生しました。

下の映像はその竜巻をとらえたものです。空から伸びる逆三角の灰色の雲が、地面に到達しているのがわかります。

竜巻の強さ

この竜巻の強さはEF2(6段階で上から4番目に強い)で、推定風速は最大で時速210キロとのことです。アメリカ気象キャスターのハンラハン氏によると、この強さの竜巻がワシントン州に発生したのは1986年以来ぶりのようです。

被害状況

この竜巻による死者やけが人は報告されていませんが、少なくとも50軒以上の建物に被害が発生し、大木が根元から倒されるなど被害が広がっています。またガス漏れにより、複数の人々が避難を余儀なくされました。

珍しいワシントン州の竜巻

アメリカは世界一多くの竜巻が発生する国ですが、竜巻の大部分はアメリカ中部や南部の平野で発生します。このため北西部の竜巻はとても珍しいのです。

1950年から2017年までの間にワシントン州で発生した竜巻は計122個で、平均すると年2個となります。なおアメリカ全土の年間竜巻発生数は1,200個です。

しかも冬の竜巻となるとさらに珍しく、12月~2月にワシントン州で発生した竜巻はたったの8例しかありません。

原因の低気圧

 NOAA発表の18日の天気図に筆者加筆
NOAA発表の18日の天気図に筆者加筆

今回の竜巻の原因は、発達した低気圧に伴う寒冷前線の通過と考えられます。

この低気圧は、17日(月)カリフォルニア州北部の海岸に巨大波を引き起こして話題になりました。場所によっては12メートルの大波も観測されたほどです。世界で最も危険な波が見られるともいわれるマーベリックスでは、気象局の再三にわたる警告も甲斐なく、多くのサーファーが大波に挑戦している様子が見られました。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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