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大阪桐蔭が異次元の強さで履正社に完勝! ハイレベル近畿大会出場校決まる!

森本栄浩毎日放送アナウンサー
大阪桐蔭はエース・前田を主将に、センバツ出場を懸け、近畿大会に臨む(筆者撮影)

 最後まで残っていた大阪を最後に、近畿大会(和歌山・紀三井寺球場で22日開幕)出場の16校が決まった。大阪は、大阪桐蔭と履正社の「2強」が早くも今季初対決。前チームでは大阪桐蔭が秋から3連勝したが、今回も7-0で大阪桐蔭が完勝した。履正社も準決勝までは圧倒的な強さを見せていて、近畿の中ではトップクラスの実力を秘める。そのほか地元の智弁和歌山や天理(奈良)、投手力のいい兵庫勢が上位を狙える力を持つが、抽選に大きく左右されるだけに、まずは初戦のカードに注目したい。抽選は来週、18日に行われる。

智弁学園が天理に敗れ、センバツ絶望

 出場校は以下の通りで、今回は滋賀と奈良が2校出場。したがって、奈良の準決勝でライバル・天理に敗れた智弁学園は、センバツ絶望となった。

 滋賀=①彦根総合 ②瀬田工

 京都=①乙訓 ②京都国際 ③龍谷大平安

 大阪=①大阪桐蔭 ②履正社 ③箕面学園

 兵庫=①報徳学園 ②神戸国際大付 ③社

 奈良=①天理 ②高田商

 和歌山=①智弁和歌山 ②近大新宮 ③海南

公立で唯一の1位は乙訓

 公立は5校で、乙訓は唯一の1位校。4年前のセンバツに出場した際も、京都大会を制している。課題の投手陣も山村寛(1年)が京都国際戦で好投。京都大会では打線が好調で、戦力に厚みが増している。瀬田工は31年ぶりの出場で、41年ぶりのセンバツを狙う。社は昨秋に続く出場で、秋は初戦敗退したが、夏の兵庫大会を勝ち抜き、甲子園で1勝した。高田商も2年連続出場で、昨秋の初戦敗退の雪辱を期す。海南は、戦前から甲子園で活躍する名門で、8年前のセンバツに21世紀枠で出場した。和歌山大会では、今春センバツ出場の和歌山東箕島を破っている。

初出場で注目は名将率いる彦根総合

 近畿大会初出場は3校で、いずれも甲子園未経験。注目は、公立の北大津を春夏計6度、甲子園へ導いた宮崎裕也監督(61)率いる彦根総合。「まずは名前負けしないように」と宮崎監督は控えめだが、北大津時代も近畿大会では無類の強さを誇った。左右の好投手を3人擁し、投打ともハイレベルでまとまっている。近大新宮は、智弁和歌山との決勝が0-0のまま継続試合となり、再開後に敗れた。エース・大槻虎生(こお=2年)が投打の柱で、和歌山大会ではセンバツ8強の市和歌山や箕島を圧倒している。大阪3位の箕面学園には、OBに阪神キラーとして知られる広島の床田寛樹(27)がいて、新しい部の歴史を刻めるか。

主戦投手残る大阪2強

 大阪2強は相変わらず強い。両校とも前チームから主戦投手が残り、相対的に見ても他府県の出場校を経験値で上回る。大阪桐蔭は、センバツ優勝に大貢献した前田悠伍(2年=タイトル写真)が主将になり、文字通りの大黒柱としてセンバツ連覇を狙う。履正社戦は前チームから4試合連続先発で、今回の完封も含め4連勝となった。履正社は、左腕の増田壮(2年)、右腕の今仲巧(2年)が経験豊富で心強い。大阪大会準決勝で2本塁打の森田大翔(2年)ら中軸打者に長打力があり、投打が嚙み合えば優勝争いに絡んでくるだろう。

兵庫2校と天理に好投手

 近年、近畿大会で苦戦が続く兵庫の上位2校は甲乙つけがたい。いずれも本格派の好投手を軸に、小技と堅守が光る。報徳の盛田智矢(2年)は、140キロを超える速球が武器で、春の近畿大会で紀三井寺のマウンドも経験済み。神戸国際大付の大型右腕・津嘉山憲志郎(1年)は最速148キロを誇るが、変化球のキレ、制球とも申し分ない。天理は左腕・中川輝星(てっせい=2年)が、ライバル・智弁学園に1失点の完投勝利で自信を深め、3大会連続の甲子園をめざす。4番を打つ松本大和(1年)のバットにも注目だ。

京都国際は左右両輪、智弁和歌山は強打健在

 乙訓に不覚をとった京都国際が不気味な存在。甲子園でも投げた松岡凛太朗(2年)と、左腕の杉原望来(みらい=2年)の両輪は、近畿でも上位にランクされる。そして、ホスト和歌山の盟主・智弁和歌山が虎視眈々と優勝を狙っている。前チームから中軸だった青山達史(2年=主将)が牽引する伝統の強打は健在で、左腕・吉川泰地(2年)、速球派の清水風太(2年)らに安定感が出てくれば、地の利を生かせそう。京都大会で投手陣が苦しんだ平安は、ベテラン・原田英彦監督(62)が短期間で戦力を整えてくるだろう。

抽選次第で強豪同士のつぶし合いも

 紀三井寺は本塁打の出やすい球場でもあり、攻撃力のあるチームが有利だが、地元の和歌山勢は例年より投手力がやや落ちる。大阪、兵庫勢は投手力に優れ、試合運びが安定している。ここ数年よりも16校に力の差があり、いきなり強豪同士がつぶし合うことも考えられる。強い下位校と初戦で当たってしまえば1位になったメリットはない。当面の目標はセンバツ当確ラインの4強入りだが、近畿の実力上位校は、やはり全国でもトップクラスということだけは間違いない。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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