南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの変異株への警戒が高まっている。WHO(世界保健機関)が懸念を示し、「オミクロン株」と命名した新変異株。日本ではまだ確認されていないというものの、アジアではすでに香港で確認されている。香港の対応とは?

アジアでは香港で確認

 南アフリカで見つかった「オミクロン株」は、アフリカ南部以外でも、すでにベルギーやイギリスでも見つかっているという。アジアでは香港で確認された。

 香港政府は27日、域外から入ってきた3人に新たに新型コロナウイルスの感染が確認され、いずれも変異株の感染だったと発表した。うち2人は、香港到着時の検査で陽性が確認され、1人は隔離期間中に確認されたという。

 香港の新聞「東方日報」によれば、感染者は47歳の女性、72歳の女性、58歳の男性。

3人はワクチン接種者

 47歳の女性は25日にイギリスから香港に到着、空港の検査で感染が確認された。女性は、中国企業との合弁で生産されたドイツの医薬品ベンチャー「ビオンテック」のワクチンを2回、6月に接種していた。

 72歳の女性は、インドから香港に戻り、25日に発症。女性は、3月と4月にインド企業が開発したワクチン「コビシールド」を接種していた。

 58歳の男性は、ロシアから戻った飛行機のクルー。男性も1月と2月にロシアが開発したワクチン「スプートニクV」の接種を終えていた。

 今回、3人はいずれもワクチン接種を2回終えていたにもかかわらず、「オミクロン株」に感染してしまった可能性がある。

 香港では、過去14日間に見つかった感染者は全て域外からの流入で市内感染ではないとしており、水際対策の一層の強化に乗り出した。

アフリカ8か国からの入境を強く警戒

 今回の感染確認を受け、香港政府は、今日28日午前0時より、南アフリカを含むアフリカ南部の8か国から入境する香港住民に対する検疫を強化した。

 対象となる8か国とは、南アフリカ、ボツワナ、エスワティニ、レソト、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエ。これらの国から戻った香港住民に対し、従来の入境後の21日間の隔離に加え、特定の検疫センターで7日間の集中検疫期間を設けるなど、検疫プロセスを強化した。

 一方、これらの国に過去21日間の滞在歴がある香港住民以外の入境は、27日午前0時から禁じている。

 現在、香港にはこれらの国からの直行便はないという。だが、香港政府は、「オミクロン株」がすでに世界の多数の地域で確認されているとして、水際対策を柱とする厳格な防疫体制を敷き、更なる拡大をなんとか食い止めようとしている。

「オミクロン株」については、まだ不明な点も多い。過度に恐れる必要はないが、日本にとっても効果的な水際対策は喫緊の課題だ。