化石賞2度受賞の日本 さらに上行く6回受賞の国は…? 紛糾COP25・こぼれ話

(写真:ロイター/アフロ)

 スペイン・マドリードで開かれている国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)。最終日の13日になっても各国に意見の隔たりがあり、会期が延長される見通しとなるなど、温暖化対策をめぐる国際協調の難しさがあらためて浮き彫りになった。

 3日に始まった会期の間、対策に消極的な国に贈られる「化石賞」を日本は2度も受賞するなど、脱炭素を掲げる団体などの不興を買った。ただ、それを上回る6回受賞した国がある。国際枠組み「パリ協定」離脱を先月正式に通告した米国だ。COPでの同国の影響力は弱まっている一方、米国内では来年の大統領選に向けて温暖化対策の議論が白熱してもいる。

1日に3回分受賞

 「またまた! 米国が化石賞1位」

 12日、さも栄誉あることのように皮肉りながら、国際NGOで構成するグループ「気候行動ネットワーク」(CAN;Climate Action Network)は米国に化石賞を贈った。理由は「少なくとも6年以上、気候変動に苦しむ人々にお金が流れるのを邪魔しているから」というものだった。

 前日11日には、小泉進次郎環境相の演説に脱石炭に関する具体策が見られなかったとの理由で、日本に化石賞が授与されて話題となっていた。日本はCOP25初日の3日に続き、2度目の受賞の不名誉だった。

 しかし米国はそれを上回り、本会期中に6回も受賞している。特に9日、1日だけで3回分を受賞したことが大きい。その際、CANは「この国は将来の世代と世界中のもろいコミュニティーにとって、最悪になろうと必死だ」と「賛辞」を贈った。このほか、5日と7日と合わせて計6回の受賞となっている。

 CANなどの環境団体から酷評される米国だが、COP25での存在感や発言力は低下している。先月「公約通り」に、パリ協定の離脱を正式に通告するなど、トランプ政権が温暖化対策に後ろ向きのためだ。

 COP25の会期中、気候変動問題に関連して話題となったトランプ氏のツイッターはほとんどなかった。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんが11日に米誌「タイム」の「今年の人」に最年少で選ばれたことに対し、「バカげている」などとからかった投稿ぐらいだ。

 なお、この投稿後にオバマ前大統領のミシェル夫人が、グレタさんに「何百万人もの人々があなたを応援している」などと励ましていた。

国内は温暖化議論に熱

 欠席裁判の如く化石賞を大量に受け取る米国だが、COP25をしり目に、国内では温暖化対策をめぐる議論が熱を増している。来年の大統領選を見据え、共和、民主両党の意見が大きく割れる争点の1つだからだ。温暖化対策の対応や世論の動向を見誤れば、致命傷になりかねない。

 民主党は、政権を奪還した場合、パリ協定に復帰することを掲げる。トランプ政権下で覆されたオバマ前政権時代の施策を、復元しようとしている。

 そのオバマ氏は13日、マレーシアで講演し、地球温暖化を遅らせることに楽観的な見方を示していた。(…続く)

(※ 関連記事は後日、エネルギー業界のニュースを専門に扱う「エネルギーシフト」で公開予定です)