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マストドンは「群島タイプの共同体」。好きな「島」で騒ぐSNSだ

三上洋ITジャーナリスト
世界一のmstdn.jpのローカルタイムライン(写真は筆者)

もう朝から晩まで、ずっとマストドン。起きたらブラウザ開いて「おはよー」と言い、寝る前に「寝マストドン」と書くと、「寝マストドン警察だー!」という画像が送られてくるお約束をやる毎日なのです。

10日で大ブレイクした分散型・TwitterライクなSNS

マストドンは、日本では4月10日ごろからブレイクして、いまやネット界隈の話題はマストドン一色。マストドンはTwitterに似たSNSで、分散型で独自のサーバー(インスタンス)を立てて、それぞれが繋がるしくみです。Twitterのように中央集権型ではなく、自由にサーバーを立てて繋がる連邦制が特徴です。

mstdn.jpのトップ画面
mstdn.jpのトップ画面

話題の「マストドン」を徹底解説。Twitterとの違い・魅力から使い方・オススメサーバーまで(engadget)

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世界最大のサーバー(インスタンス)となった「mstdn.jp」を運営していた大学院生・ぬるかるさん @nullkalが、わずか10日でドワンゴに一本釣りされて就職するなど、目まぐるしいスピードで動いています。

チャット部屋と化しているmstdn.jp

ネットの最先端に敏感な方、ギークな方、テックな皆様が「マストドンおもしれーー」「インスタンス立てるべ」と盛り上がっている中、俺がマストドンにどっぷりなのは別の理由です。

それは「果てしなく流れるチャット部屋が楽しいから」。筆者はAbema Primeというネット番組にお邪魔して、マストドンの概要を説明したのですが、その直後から「mstdn.jp」の怒涛のようなLTL(ローカルタイムライン:そのサーバーの書き込み全部が流れる)に巻き込まれました。

Abema Primeでマストドンが紹介された
Abema Primeでマストドンが紹介された

話題の新興SNS「マストドン」、発展途上の自由さが最大の魅力(Abema Times 写真は筆者)

俺がいるのは「mstdn.jp」ですが、世界一の8万人のユーザーがいて、24時間猛烈なスピードでトゥート(書き込み)が流れています。堅苦しくなってしまったTwitterから離れて、言いたい放題、好きなことを言って、いつでも誰かがいるチャット部屋。それが今の「mstdn.jp」です(開設者ぬるかるさんは迷惑かもしれないけど)。

mstdn.jpのローカルタイムライン(内容がえげつないので全部モザイクで)
mstdn.jpのローカルタイムライン(内容がえげつないので全部モザイクで)

マストドンは500文字まで書けるのが特徴ですが、「mstdn.jp」では1行か2行が理想(たぶん50文字ぐらい)。3行以上はスパムです(嘘)。それはサーバー全体の書き込み(LTL=ローカルタイムライン)がめちゃくちゃ速いため、長いと誰も目に止めないから。この流速に耐えるのはせいぜい2行ってわけです。

つまり今の「.jp」の盛り上がりは、マストドンの特徴を全然いかしていません。長文はウケないし、分散型SNSのメリットも利用せず。単なる「人がいっぱいいるチャット部屋」になってます(それが楽しいんですけど)。

独自の文化がある島。群島タイプで海をはさんでつながっている

でも、これ、よく考えてみると、マストドンだからこその面白い現象なのかもしれません。「mstdn.jp」は下ネタあり・アニメアイコン大量のチャット部屋と化し、Pixivの「pawoo.net」は萌え絵のギャラリーとなり、ドワンゴの「friends.nico」はニコニコでおなじみの横スクロールなどの独自機能満載。それぞれの文化とノリがあります。

文化に違いはありますが、まったく分離しているわけではなく、お互いの人気トゥートは見ることができるし、話題もある程度は共通します。

マストドンは島。群島タイプの共同体
マストドンは島。群島タイプの共同体

たぶんマストドンは「島」、それも瀬戸内海とかカリブ海みたいな「群島」なんだと感じています。一つ一つの島には独自の文化があって、別の恐竜が住んでいる。でもすぐ近くの島は見えるし、小舟で繋がっているんです。そんな緩やかな群島タイプの共同体がマストドンだと思います。

できれば島は大きすぎない方がいい。人が多すぎると、LTL(島全体のタイムライン)を流すことができなくなるから。島全体のタイムラインを流せる程度の規模で、たくさんの島ができることを祈っています。

最大の島に来てみたいのであれば、ぜひmstdn.jpへどうぞ。ただ内容は下ネタ満載で、えげつないので、ビックリしないでね。えげつないチャットがあるのは、島に入る儀式みたいなのものかもしれません。それに耐えられる人だけどうぞ、耐えられるなら歓迎するよ、という島独自の儀式だと思ってください。

見るにはアプリよりも、スマホのブラウザをオススメします。怒涛のような流速の書き込みを体験できます。(筆者のマストドン:https://mstdn.jp/@mikamiyoh

ITジャーナリスト

セキュリティ・ネット事件・スマートフォン料金を専門とするITジャーナリスト。テレビ・ラジオ・雑誌などでの一般向け解説多数。読売オンライン「サイバー護身術」、アスキー「5分でわかる時事セキュリティ」などを連載。文教大学情報学部非常勤講師

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