ワールドカップメンバー発表前最後の2連戦。欧州遠征中のなでしこジャパンをキングカズが激励!
FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023開幕まで4カ月を切り、なでしこジャパンが大会前最後の欧州遠征に臨む。
現地時間4月7日(金)にギマラインス(ポルトガル)でポルトガル女子代表と、同11日(火)にオーデンセ(デンマーク)でデンマーク女子代表との国際親善試合が予定されている。
FIFAランク11位のなでしこジャパンに対し、ポルトガルは同21位。大陸間プレーオフを勝ち抜いてW杯に初出場する。一方、デンマークは同15位で、4大会ぶり5度目の出場となる。
今回招集されたメンバーは、海外組が11名、国内組が14名の計25名。2月にアメリカで行われた「SheBelieves Cup」のメンバーを中心に、チーム作りは最終段階に突入している。
同大会では、FIFAランク1位のアメリカ(●0-1)、同9位のブラジル(●0-1)、同6位のカナダ(○3-0)と対戦。1勝2敗で、アメリカに次ぐ2位で大会を終えた。最大の収穫は、3-4-3のシステムで、強豪国とも戦える手応えを掴んだこと。特に、ボールを支配できる試合では日本の良さでもある流動的な攻撃が発揮されやすく、押し込まれた時には5バックで対応できる。
一方、相手にボールを支配されるような試合で「どのように点を取るか」は依然として課題だ。体格差、スピードのある相手に対するカウンターへのリスクマネジメントも、今回の2連戦で強化したいポイントだ。池田太監督が、3バックと従来の4バックを併用する可能性もある。
【レジェンドの激励】
現地入り翌日の4日の練習には、ポルトガルのUDオリヴェイレンセでプレーするキングカズこと三浦知良選手(56)が訪れた。
2011年のW杯優勝時に、メンバー全員に赤いバラを贈ったことは有名だ。この日は練習場にスーツとサングラス姿で颯爽と現れ、「今回も優勝したら、またバラを贈ります。ぜひ優勝してください」などと激励。選手たちは真剣な眼差しでその言葉に耳を傾けていた。
自身の本拠地から、練習後に1時間近くかけて練習場に駆けつけたという三浦氏。女子サッカーの趨勢について、ポルトガルのチームメートと話す機会があったという。
「(W杯で優勝した)2011年に比べて、アジア諸国も含めて世界的に各国が強化してきている中で、ポルトガル(女子代表)もかなり成長して強化していると聞きますし、より競争力が高まってきた中での戦いは本当に大変だと思います。ただ、経験のある選手が引っ張って、試合ではこの遠征の成果を出してほしいなと思います」
現地時間7日の夕方に行われるポルトガル戦は自身の試合日だが、終わってから駆けつける予定だ。これまで6カ国でプレーしたレジェンドに、自身と同じポジションであるストライカーに期待することについて聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
「ペナルティエリア内で仕事ができるストライカーがいるチームは強いです。僕自身もそうですが、どうしても他でもいいプレーをしようとして、すべてをうまくこなそうとするのが日本のストライカーのいい面でもあり、悪い面でもあると思いますから。そういう意味では割り切りも必要だと思います」
この日のなでしこジャパンの練習は、ボールポゼッションやクロスからゴールに迫る形などをみっちり2時間強トレーニング。海外組を中心に、サイドチェンジやクロスの飛距離と精度は上がっており、複数得点への期待を抱かせる。
とはいえ、W杯に向けて最終調整に入っているのは相手も同じ。決して簡単な試合にはならないだろう。その中で、メンバー入りへ大きくアピールするのはどの選手だろうか。
ポルトガル戦は日本時間8日(土)深夜1:00から、デンマーク戦は同12日(水)深夜1:00より、ともにNHK BS1で生中継される。
*写真は筆者撮影
(取材協力:ひかりのくに)