7月21日(水)から8月6日(金)にかけて、東京五輪に臨むなでしこジャパンのメンバー18名が、6月18日(金)に発表された。

 選ばれた18選手のうち、ここではFW登録の選手を紹介する。

GK(2名)

DF(6名)

MF(6名)

【FW(4名)】

9 菅澤 優衣香 スガサワ ユイカ(三菱重工浦和レッズレディース/30歳/CF)

菅澤優衣香
菅澤優衣香写真:長田洋平/アフロスポーツ

フィジカルが強く、海外勢の強力なプレッシャーの中でも安定したポストプレーを見せるセンターフォワード。腕の使い方や体の当て方などに改良を重ね、ボールキープ力は年々増している。また、浦和でも代表でもストライカーを象徴する背番号「9」をつけ、浦和では昨季17ゴールを決めて優勝に貢献。自身3度目の得点女王に輝き、改めてその得点力の高さを示した。得意とするヘディングに加え、豪快なバイシクルシュート、GKの頭上を超える鮮やかなループシュートなど、多彩なゴールシーンで観客を沸かせた。浦和でのプレー同様、代表でも前線でパスの潤滑油になることができ、剛柔自在のプレーを見せる。理想のストライカーはFWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)だという。代表歴は12年目に突入。2度のW杯を経験しているが、五輪は、これまで大会や予選前のケガで出場できず、今回が初となる。今季からチームがプロになり、体作りやケアも丹念に行い、コンディションを上げてきた。菅澤が考えるエースの定義は、「チームのために献身的にプレーができること」と、「フィニッシュを決め切ること」。本番でもそんなプレーを見せてくれるはずだ。

10 岩渕 真奈 イワブチ マナ(アーセナル/28歳/CF、トップ下、SH)

岩渕真奈
岩渕真奈写真:YUTAKA/アフロスポーツ

18歳で世界一を経験した2011年W杯から10年。ドイツ、日本、イングランドの3カ国で経験を積み、誰もが認める“なでしこのエース”として、背番号10を背負い自国開催の五輪に臨む。変幻自在のドリブルと、海外のディフェンダーとの間合いやタイミングを熟知したシュートはワールドクラスで、得点数は今のチームで最多の「34」に伸ばした。昨冬にINAC神戸レオネッサからイングランドのアストン・ヴィラに移籍。「ドイツでプレーしていた時よりもフィジカル的な要素が強くて、いい意味でも悪い意味でもゴールに向かうスピード感がすごい」と、慣れるまでには苦労したようだが、降格危機にあった同チームの1部残留に貢献した。新シーズンからは同リーグの強豪・アーセナルへの移籍が決まっている。昨季のシーズン終了後は早い段階で帰国して調整し、コンディションも良さそうだ。代表では、スーパーサブの時期も長かったが、このチームでは16年から主力としてプレーし、名実ともにリーダーの一人になった。対戦相手には欧州リーグでプレーした仲間も多く、対戦国からの厳しいマークも予想されるが、阿吽の呼吸でプレーする前線のアタッカー陣との多彩なコンビネーションで打開することができるはずだ。

11 田中美南 タナカ ミナ(INAC神戸レオネッサ/27歳/SH、CF)

田中美南
田中美南写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

ゴールから逆算したプレーを追求し続けるストライカー。相手DFと駆け引きしながら裏に抜け出すアクションを得意としており、体幹の強さを生かしたターンからのシュートも武器。長年プレーしたベレーザで、2015年から19年まで4年連続でリーグ得点女王になり、リーグ4連覇に貢献したが、19年のW杯は選外に。だが、五輪を目標に切り替え、プレーの引き出しを増やすために環境を変えることを決断し、INACに移籍。INACでは、ペナルティエリア内での仕事に加えて2列目で周りを生かしながらゴールに迫るプレーも増え、リーグ得点女王の座は菅澤に譲ったが、成長を感じさせる13ゴールを決めた。今季は、WEリーグのオフシーズンを利用して、6月末までの期限付きでドイツのバイヤー・レバークーゼンに移籍。ブンデスリーガでは、一本のシュートにかけるこだわりや球際で奪い切る強さを体感し、「間合いとか、相手が守備で突っ込んでくる勢いへの対応は確実にプラスになりました」と、貴重な収穫を得て帰国。自分がゴールを決め、代表チームを勝利に導くことーー。田中が目指す場所は、ずっと変わらない。FWとしての総合力を高めたストライカーが、その真価を示す時が来た。

15 籾木 結花 モミキ ユウカ(OLレイン(アメリカ)/25歳/SH、トップ下)

籾木結花
籾木結花写真:長田洋平/アフロスポーツ

的確な状況判断やポジショニング、精度の高いキックやラストパスでゴールを演出し、自らも決めるレフティー。プレーの波をなくすため、状況を論理的に分析し、整理して言語化する、なでしこきっての頭脳派でもある。昨年、10年以上プレーしたベレーザから、OLレイン(アメリカ)に移籍。加入後すぐにスウェーデンのチームに期限付き移籍したものの、デビュー戦で負傷。初めての大きなケガを乗り越え、今季からOLレインに復帰した。チームメートで、世界女王アメリカ代表の主将・FWメーガン・ラピノーからは、多くの刺激を受けているという。レインでは前線に代表クラスのアタッカーが揃う中で出場機会を得るのに苦労しているが、限られた時間で結果を残すための準備を怠らず、「置かれた状況で何ができるかという思考の回し方の精度が上がってきました」と、スーパーサブとしての新境地も開いている。日本代表ではアメリカやブラジル、カナダなど強豪相手にゴールを決めており、今年は4月のパラグアイ戦から6月のメキシコ戦まで4戦連続ゴールを決めている。籾木がピッチに立てば、流れは確実に変わる。

※バックアップメンバーには、GK平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)、DF三宅史織(INAC神戸レオネッサ)、林穂之香(AIKフットボール/スウェーデン)、MF木下桃香(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の4名が選出された。