8月5日にフランスで開幕するU－20女子W杯に臨むU-20日本女子代表のメンバー21名が17日、発表された。

　選ばれた21名のうち、ここではFW登録の4選手を紹介する。

（写真はすべて筆者撮影）

（１）GK編（２）DF編（３）MF編

14　村岡 真実　ムラオカ マミ（オルカ鴨川FC/2部）

　前線からのハードワークを惜しまず、守備の貢献度が特に高い。攻撃では相手を背負ったポストプレーを得意とし、シュートレンジの広さも魅力。ミドルシュートは常に狙っているため、相手GKのポジショニングを予測する技術が高く、昨年のU-20W杯アジア予選では、韓国戦で20m超のロングシュートを決めて沸かせた。ポストプレーから振り向きざまのシュートは絵になるが、サイドでは、クロスからのアシストにも期待。所属のオルカ鴨川FCでは今シーズン、サイドバックでもプレー。途中からの出場なら、流れを変えるジョーカーになりそうだ。

19　植木 理子　ウエキ リコ（日テレ・ベレーザ）

　チームの浮沈を左右するエースストライカーで、今大会の主役候補の一人。U-20W杯アジア予選では重要な得点にほとんど絡み、決勝の北朝鮮戦では鮮烈なミドルでチームを優勝に導いた。スピードに乗ったドリブルは、切り返しや上半身を使ったフェイントで生み出される緩急によって、ゴールへの爆発的な推進力を生む。対戦相手は間違いなく、このストライカーを徹底マークしてくるだろう。その中でも、植木のプレーが海外勢にどれだけ通用するかは、見所の一つだ。最終的には「大事な試合で点を取る」（植木）ことを最大の目標にしており、育成年代の集大成となる今大会で、その力を証明したい。そのためには、彼女の裏への動き出しのタイミングを、2列目の選手がどれだけ生かせるかもカギになる。

16　鈴木 陽　スズキ ハルヒ（AC長野パルセイロ・レディース）

　5月の国内合宿で約1年ぶりにU-20代表に招集され、最後の最後でメンバー入りを勝ち取った。フィジカルが強く、懐の深いボールキープで時間を作るプレーを得意としている。スケールの大きさを感じさせるプレーは、彼女自身のキャラクターや考え方とも無関係ではないだろう。「見ている人が楽しいサッカーがしたい」（鈴木）と、高校を辞めて16歳の時に単身でブラジルに渡った異色の経歴の持ち主。昨年は怪我もあり、今年、長野で本格的にリーグデビューを飾ったが、第4節のセレッソ戦でハットトリックを決めるなど、すでに大物ぶりを見せつつある。アイドルは90年代に世界を震撼させた“フェノーメノ”ことFWロナウドだという。世界大会は初めてだが、「化ける」可能性は十分にありそうだ。

11　宝田 沙織　タカラダ サオリ（セレッソ大阪堺レディース）

169cm59kgの恵まれたフィジカルを武器に、ビルドアップからフィニッシュまでに関わるストライカー。昨年、2部で得点王に輝いた。年代別代表でGKからFWまで全てのポジションでプレーした経歴は、唯一無二。また、その経験から、相手が嫌がるスペースを知り尽くしているのは強みだ。相手GKが弾いたこぼれ球や、セカンドボールに詰めるポジショニングの良さも。1部に戦いの場を移した今年は、筋トレの強度を上げ、U-20W杯に向けて総合力を高めてきた。ゴールへの貪欲さやスプリント回数など、「スイッチが入ると止められない」と言われる規格外のプレーにも期待したい。

※U-20女子W杯はフジテレビNEXTで放送される。