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まもなく開幕!U-20女子W杯フランス大会に臨むメンバー21名全選手紹介(3)

松原渓スポーツジャーナリスト
U-20日本女子代表(写真:Kei Matsubara)

 8月5日にフランスで開幕するU-20女子W杯に臨むU-20日本女子代表のメンバー21名が17日、発表された。

 選ばれた21名のうち、ここではMF登録の7選手を紹介する。

(写真はすべて筆者撮影)

(1)GK編 (2)DF編

【MF(7名)】

今井裕里奈
今井裕里奈

12 今井 裕里奈 イマイ ユリナ(日体大FIELDS横浜 )

 精度の高い両足のキックと豊富なスタミナで中盤を活性化する、このチームでは最年長のゲームメーカー。両サイドとボランチでプレーでき、体格の大きな相手に一歩も引かない粘り強い守備対応にも注目したい。攻撃ではカットインからのシュートやラストパスの質にこだわりを見せ、紅白戦ではゴール右上隅にカーブをかけたテクニカルなシュートを決めるなど、激戦区の中盤でも確かな存在感を示す。「初めてのW杯なので、会場の雰囲気や、普段とは体格も全然違う相手にどんなプレーが通用するかが楽しみ」(今井)と、イメージトレーニングも欠かさない。

林穂之香
林穂之香

7 林 穂之香 ハヤシ ホノカ(セレッソ大阪堺レディース)

 力強いボール奪取でピンチの芽を摘み、攻撃の起点となる中盤の要。今年から1部に昇格したセレッソの大黒柱で、U-20代表では長野とともに、池田ジャパンのサッカーに血を通わせる存在だ。コースをついたロングシュートも武器の一つで、U-20W杯アジア予選のオーストラリア戦では、鮮やかな低空ミドルで逆転勝利を呼び込んだ。最年少で選出された前回大会(3位)とは、チーム内での立ち位置も大きく変化しており、“背中で見せる”リーダーを目指す。「苦しい時間帯でもアグレッシブにプレーして、1対1で気迫を見せられる選手になりたい」(林)。小柄さを感じさせないデュエルと、思い切った攻撃参加にも着目したい。

福田ゆい
福田ゆい

8 福田 ゆい フクタ ユイ(INAC神戸レオネッサ)

 卓越したキープ力と広い視野でチーム全体を押し上げるボランチ。高校時代は強豪・藤枝順心高校で、10番・司令塔・キャプテンの三役を担い、全国的に名を馳せた。卒業後はINACに入団し、初の1部で1年目から堂々たるプレーを披露し、昨年のリーグ1部新人賞を受賞。プレッシャーの中でもしっかりとボールを前に運べる技術やパスセンスはピカイチだが、U-20代表では、ケガなどで合宿に参加できないことも多かった。コンディションが整えば、計算できる重要な戦力になることは間違いない。今大会はGK福田まいとともに、双子での選出となった。

佐藤瑞夏
佐藤瑞夏

15 佐藤 瑞夏 サトウ ミズカ (ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

 正確なボールコントロールを武器に、中盤から前線までを幅広くカバー。飛距離と精度を兼ね備えたキックで、攻撃に創造性とバリエーションを加える。2014年U-17女子W杯優勝メンバーの一人で、昨年のU-20W杯アジア予選では、ベトナム戦で2ゴールを挙げて勝利に貢献した。下部組織からジェフ一筋で育ち、8年目を迎えた今年は、クラブでレギュラー確保を目指す。平日は美容専門学校でエステを学ぶ2足のわらじを履き、食事や体のメンテナンスに対する意識も高い。本大会では、「守備も含めて、1対1で負けないこと。基本的なことをしっかりやることが大事」(佐藤)と、攻守にハードワークを誓う。

長野風花
長野風花

10 長野 風花 ナガノ フウカ(仁川現代製鉄レッドエンジェルズ/韓国WKリーグ1部)

 中盤の底で、攻守を司る日本の頭脳。豊富なアイデアを駆使し、素早い攻守の切り替えから、ゴールに直結する必殺のパスで見せ場を作る。多彩なキックを蹴り分け、セットプレーのキッカーも任されている。2014年のU-17女子W杯は最年少で世界一に輝き、2016年の同大会はキャプテンとしてチームを準優勝に導き、MVPを獲得。同年のアジア年間最優秀ユース選手に選出された。「絶対に、2020年の東京五輪に出て活躍して、金メダルを獲る」(長野)という目標を持ち、成長を求めて今年、韓国WKリーグに移籍を決断した。6月にはA代表のニュージーランド遠征に初招集されており、次世代のゲームメーカーとして期待される逸材だ。

宮澤ひなた
宮澤ひなた

9 宮澤 ひなた ミヤザワ ヒナタ(日テレ・ベレーザ)

 ボールコントロールスキルとインテリジェンスを兼ね備えた18歳の新星は、今大会でブレイクが予想される選手の一人だ。タッチライン際から緩急のあるドリブルでカットインし、シュートに持ち込む形は武器の一つ。高卒ルーキーとしてベレーザに入団した今シーズンは、開幕戦で途中出場から1ゴール1アシストを記録し、逆転勝利に貢献。その後もコンスタントに活躍を続け、なでしこジャパンの選手が多いチームで主力に定着。その安定した活躍を支えるのは、「自分のプレーで見ている人を楽しませたい」という強い気持ちと、逆境や重圧をものともしない精神力だ。「チャンスは絶対に決めきる。どんな場面でも点に関われる選手になりたいです」(宮澤)と、日本に勝利をもたらすゴールを目指す。

遠藤純
遠藤純

20 遠藤 純 エンドウ ジュン(JFAアカデミー福島)

 このチームでは最年少で、今大会は飛び級での選出となった。屈託のない笑顔と天真爛漫なキャラクターでチームを賑やかにするが、ピッチに立てば、年下であることを感じさせない堂々としたプレーを見せる。166cmのサイズとスピードに恵まれ、FWだけでなくサイドでもプレー可能だ。最大の武器は、ダイナミックさとしなやかさを兼ね備えた左足のシュート。その非凡なセンスは、小・中学生の頃から強豪クラブの育成関係者の目を引いていた。今年、特別指定選手としてベレーザの一員になった。「U-17W杯は緊張でうまく自分を出せずに終わったので、今大会は楽しみながら、自分のプレーを発揮したい」(遠藤)。好きな選手はネイマール。

※U-20女子W杯はフジテレビNEXTで放送される。

(4)FW編 に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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