2017年のなでしこリーグで躍進するのはどのチームか?ーマイナビベガルタ仙台レディース(1)

複数のポジションをこなす佐々木繭(右)は、攻守のキープレーヤーの1人だ(写真:アフロスポーツ)

2月15日(水)~19日(日)まで、千葉県内で、なでしこリーグ1部と2部、韓国のクラブ1チームの計9チームによる千葉交流戦が開催された。

3月26日のなでしこリーグ開幕に向け、各チームがどのような仕上がりを見せているのか取材した。

今回は、マイナビベガルタ仙台レディース(以下:仙台L)の2017年シーズンを展望する。

昨年、リーグ戦は4位でフィニッシュした。ホームでは7勝1分1敗と強さを見せたが、アウェイは3勝6敗と負け越し。連敗は一度もなかったが、連勝も最大で「2」にとどまり、波に乗り切れなかった。

だが、今年は転機のシーズンとなりそうだ。

2017年2月から、仙台Lは就職情報会社「マイナビ」と4年間のタイトルパートナーシップを締結した。支援額は、命名権料を含め年間最大約1億円にも上る。この支援を受けて、仙台Lはトレーニング環境の改善や選手の補強など、クラブの強化を図ることはもちろん、女子選手の育成や普及、指導者養成など、2020年を見据えた長期的な目標を掲げている。

そんな中、悲願の初タイトルを目指すチームの新指揮官として迎えられたのが、越後和男監督だ。

自身も元日本代表選手であり、指導者としてはベガルタ仙台(トップチーム)のコーチなどを経て、同じくベガルタ仙台のアカデミーで6年間の監督経験を持つ。その6年間で、ユースから6人のJリーガーを輩出するなど、若手の育成で実績を残してきた。

仙台Lは始動してまだ1カ月しか経っておらず、未知数な面もあるが、越後監督は1年目から「タイトルを目指す」と明言している。

【攻守の中心となるキープレーヤーは?】

選手の顔ぶれを見ると、昨年と変わらず、160cm台後半の高さのある選手が多く揃う。両サイドの中野真奈美と嘉数飛鳥のスピードを活かしたサイド攻撃は、今年も多くのチャンスを演出するだろう。高さ、スピード、パワーを活かし、セットプレーからの得点も多い。

だが、攻守においてチームをけん引したボランチの川村優理がアルビレックス新潟レディースに移籍した穴は大きい。中盤の選手ながら、チームのトップスコアラーでもあった。

その穴を埋める存在として期待されるのは、佐々木繭だ。昨年はDF登録で主にサイドバックでプレーしたが、ボランチでのプレー経験もある。状況判断に優れ、複数のポジションをこなすユーティリティープレーヤーとして、高倉麻子監督の元、昨年からなでしこジャパンにも継続的に呼ばれている。

「試合に出られればポジションはどこでも良いと思っています」(佐々木)と、新シーズンへの高い意欲を見せる。

新加入選手に目を移すと、常盤木学園からGK鈴木あぐりが加入したほか、173cmの長身MF、三橋眞奈が大阪体育大から加入。2人とも、育成年代で代表候補になった経歴を持つ。

また、オーストラリアのシドニーFCから、FWケイトリン・フォードを獲得。2016年のAFC年間最優秀選手にも選ばれたストライカーで、得点力の飛躍的な向上が期待される。また、ドイツの1.FCザールブリュッケンでの海外挑戦を経て、MF入江未希が1年ぶりに復帰した。

ドイツでは、精神面も含めて、「個を高める」ことの重要性を学んだという。

「海外でプレーした分、違いを出さなければいけないと思います」(入江)

と、新シーズンの活躍を誓った。

越後監督は、スタメンはもちろん、現段階では各選手のポジションも確定していない。千葉交流戦では、多くの選手を新たなポジションで起用した。その意図について、越後監督はこう話す。

「それぞれの選手が違うポジションで、自分のポジションを見つめ直して欲しいですね。たとえば、ボランチの選手がセンターバックでプレーした際に、『ボランチの選手にこう動いて欲しい』ということを考えてもらうために、様々なポジションで起用しました。」(越後監督)

答えを教えるのではなく、導き出す声のかけ方が印象的だ。「今の場面は、どちらを選んだら良かったと思う?」

千葉交流戦はチャレンジの場と割り切り、試合中でも選手たちに質問を投げかける場面が見られた。

開幕戦では、どの11人が、どのようなフォーメーションで起用されるのか、楽しみにしたい。

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(2)【監督・選手コメント】に続く