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主な新興国/米国経済ニュース(12日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

米ジュニパー、ヘラドピアCEOを更迭―後任にラヒム副社長を指名

米通信機器大手ジュニパー・ネットワークス<JNPR>は10日、シャイゴン・ヘラドピアCEO(最高経営責任者)が同日付で辞任し、その後任としてラミ・ラヒム副社長を新CEOに指名したことを明らかにした。

ヘラドピア氏の更迭理由について、同社では、「ヘラドピア氏と顧客との交渉内容について社内調査した結果だ」としか明らかにしていない。ヘラドピア氏のどんな行動や、また、顧客とはだれなのかなど詳細については明示を避けている。また、今回のヘラドピア氏のCEO辞任によって、同社の決算内容に変更は生じないとしている。ヘラドピア氏は1月に英金融大手バークレイズから同社に入社していた。

一方、ラヒム氏は同社在籍17年のベテランとして知られ、前職はジュニパー・デベロップメント・アンド・イノベーション部門の執行副社長。スコット・クリエンス会長は10日のアナリストとの電話会議で、「ヘラドピア氏の行動は当社のリーダーとして期待されるものとは相容れなかった」と述べている。

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米マクドナルド、子供向けメニューの景品250万個を誤飲の恐れで自主回収へ

米ファストフード大手マクドナルド<MCD>は、北米で子供向けセットメニューの「ハッピーミール」や「マイティ・キッズ・ミール」の景品として配布しているキティちゃん人形「ハローキティ・バースデー・ロリポップ・トーイ」に付属している赤い呼び笛の一部を幼児が誤飲する事例が報告されたことから、この景品をリコール(自主回収)することを明らかにした。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)などが10日に伝えた。

消費者製品の安全性を監督する米消費者製品安全委員会は10日、これまでに2人の子供が呼び笛の一部を飲み込んで喉を詰まらせ吐き出したほか、1人の子供が病院で手当てを受けたとしている。同委員会によると、呼び笛の大きさは3インチ(7.6センチ)だが、細かい部品に分解できるため、幼児が誤飲する危険があるという。マクドナルドでは米国で約230万個、カナダで20万個の景品を10月から11月にかけて、ハッピーミールやマイティ・キッズ・ミールの商セット品として配布した。

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インドネシア中銀、13日の会合で金利据え置きか―エコノミスト予想

インドネシア政府は財政を圧迫している燃料補助金を削減するため、今月中にも補助金付き燃料の価格を引き上げる方針で、それにより、インフレが加速する恐れがあるものの、多くのエコノミストは、インドネシア中央銀行は13日に開く次回の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物BI金利を7.5%のまま据え置くと見ている。ジャカルタ・グローブ(電子版)などが10日に伝えた。

これはブルームバーグが18人のエコノミストにインタビューした13日の会合時点での政策金利の見通しをまとめたもので、インドネシア金融最大手マンディリ銀行傘下のマンディリ証券のエコノミスト、アルディアン・タロプトラ氏は、「13日の会合までに補助金付き燃料の値上げは起きないと」とした上で、「政策金利は据え置かれる」と見ている。

現在、中銀は政策金利であるBI金利を7.5%のまま11会合連続で据え置いている。一方、10月のインフレ率は4.8%上昇と、9月の4.5%上昇から伸びが加速したが、これはLPG(液化石油ガス)と電気料金の上昇が原因。しかし、政府は先週、補助金付き燃料価格を今月から引き上げる意向を明らかにしている。ただ、具体的な値上げの実施日や値上げ率など詳細についてはまだ明らかにしていない。

一方、スタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、エリック・アレクサンダー・スガンディ氏は、「燃料価格が1リットル当たり2000-2500ルピア(約20-25円)引き上げられれば、中銀は政策金利を0.25%ポイント引き上げ、それよりも値上げ幅が大きければ利上げ幅も大きくなる」と予想している。

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ロシア中銀副総裁、「国内経済と銀行セクターは危機的状況ではない」と強調

ロシア中央銀行のアレクセイ・シマノフスキー第1副総裁は11日の会見で、最近の国内経済と銀行システムの現状について、「経済と銀行セクターを取り巻く状況は確かに厳しいが、異常とか、危機的な状況ではない」との認識を示した。タス通信(電子版)が伝えた。

同副総裁はその根拠として、「中銀は外貨を争って購入しようとする動きや国民の間にパニックが起こらないよう必要な手段をすでに講じている。今後もそうした対策を講じていく」と述べている。

また、エルビラ・ナビウリナ総裁も10日、国営テレビ局ロシア24のインタビューで、「銀行や国民も、そして輸出入業者もルーブル安を引き起こすゲームに参加し、ルーブルの下落を招いている」と批判。その上で、「中銀はルーブル相場を注視し、為替相場の安定のために必要な手段を講じる」との考えを示している。

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ホンダ、ベトナム第3工場でスクーターの本格生産を開始

本田技研工業のベトナム法人ホンダ・ベトナム(HVN)は10日、ベトナム国内では3番目となる自動2輪車工場の開所式を行い、量産化に向けて本格操業に入ったことを明らかにした。

新工場はハノイの南40キロにあるハナム省のドンヴァンII工業団地に1億2000万ドル(約140億円)を投じて建設中だったもので、敷地面積は27万平米。従業員数は1300人で、第3工場は今年3月から1日当たり1450ユニットの2輪車部品の生産を開始していた。当初の生産台数は1日1000台となる見込み。生産車種はスクーターで、年間生産能力は50万台としている。

HVNは、1997年にベトナムで2輪車の生産を開始し、2011年までに200万台の生産体制を構築。今回の第3工場の稼働でHVNの生産能力は年間250万台に高まる。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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