フィリピンの東海上を北上中の台風20号は、今後も北上を続け、6日（木）～7日（金）頃に関東の南海上へ進む見通しです。

伊豆諸島は荒天のおそれも

台風は本州からやや離れた海上を通るため、本州では大荒れはないですが、関東には6日（木）から雨雲がかかり、太平洋岸では5日（水）頃から次第に波が高まります。

また、台風の進路に近い伊豆諸島では、南部を中心に雨や風が強まり、荒れた天気になるおそれがあります。

なお、現時点の台風の予報円を見ると、7日（金）に最も近づくようにも見えますが、6日（木）から近づくというデータも多く、「7日」としぼり込むのは危険です。

求められる「言葉」の精度

気象の予測というのは、たいてい幅があり、日が近づくにつれて、時間・場所をしぼっていくという作業です。まだ幅がある段階で、むやみにしぼって言葉に落とすと、間違った情報ができ上がります。

せっかくスパコンなどを使った最新技術によって予測精度が上がっても、それを伝える言葉の精度が悪ければ、結果的に精度は悪くなります。

消火栓から水が勢いよく出るように性能が上がっても、ホースを変な方向に向けていたら、消火の成功率が落ちるようなものです。

特に、多くの人の目や耳に触れるメディアでの言葉の精度が求められます。予測のニュアンスを理解しないまま言葉に落とした情報は、非常に危なっかしいと思います。