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関東の雪、今回は大騒ぎするほどなのか?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
15日午前の降水予測。

15日(水)は、本州の南岸を低気圧が通過する影響で、関東南部で雪の降る可能性があります。

という情報が流れていますが、これだけ読むと、「積もる雪」や「大雪」をイメージする人も多いはずです。実際、そういった質問を多く受けています。

ただ、今回は、積もる雪や大雪は、考えにくい状況です。

低気圧が南海上を少し離れて通るため、しっかりと雪や雨を降らせる雲は、海の上を通過していきます。

「そうは言っても、去年の成人の日に予想外に降ったではないか」という声が聞こえてきそうですが、その時もふくめて、関東の雪予報で難しいのは気温です。0.5℃の違いで、雨が大雪に変わることもあります。

一方で、降水量がガラッと変わり、ゼロが大雪になることは、この低気圧のパターンではほぼありません。今回は、日本の気象庁のデータだけでなく、海外の気象機関のデータも、まとまった降水は予測していません。

予測の幅を考慮し、悪く傾いたとしても、神奈川や千葉で植え込みなどがうっすら白くなるかどうか。都心だと、小雪が降るかどうか、といったところです。

東京都心で8センチの雪が積もり、大騒ぎとなった去年の成人の日ですが、1998年の成人の日には、倍の16センチの積雪がありました。30年ほど前には20センチ以上積もる冬もあり、明治時代には46センチ積もったこともあります。

雪が積もることが非日常になるにつれて、降った時の混乱が大きくなっています。

たしかに、あの混乱を防ぐためには、騒がしいくらいに伝えることも必要かもしれません。

ただ、雪のシーズンは、まだ半ばです。本当に大声で呼びかけなくてはならない時に「はいはい、またか」とならないようにしたいものです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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