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台風3号、今週なかば本州付近に接近へ。大雨の恐れも、少雨の恐れも

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
気象衛星画像。台風3号の雲が発達中。

台風3号がフィリピンの東で発生。北上中です。

最新の予測データによると、このあとも北上を続けて、12日(水)から13日(木)頃に、本州付近に接近する恐れがあります。

コースはまだ絞り込めず

ただ、コースの予測には、まだバラつきがあります。

気象庁の台風予報の元となるデータは、西日本方面へ進む可能性を示唆していますが、一方で、海外の気象機関のデータなどでは、東海や関東など東日本方面へ進む計算をしているものも。

たしかに、台風を流す上空の風がはっきりしている季節ではなく、予測がバラつきやすい状況です。また、日本の南の海水温が低いため、台風が北上してきても勢力を維持できず、形が崩れ始めると、いっそう上空の風に翻弄されやすくなります。

現時点では、九州から関東にかけてどこに来てもおかしくない、くらいの幅で見ておく必要があり、もう少し北上すれば、徐々にコースが定まってきます。

( 最新の予報:Yahoo!天気・災害

大雨の恐れも、少雨の恐れも

台風の形が崩れながら北上したとしても、梅雨前線とセットになって大雨を降らせたり、また、バラけた雨雲がどんどん広がって、台風から離れた所で突発的に豪雨が降ったりと、やはり大雨に警戒が必要となります。

一方で、台風によって、少雨や水不足が解消するとは限りません。台風のコースや雨雲の偏り方しだいで、何も降らないまま終わる地域も出てきます。

台風が本格的な梅雨をさらに遅らせることも

もう一つ心配なのが、台風がいなくなった後の天候です。

予報現場では、「台風が場を変える」「場を乱す」と言ったりしますが、天候の流れを一つの台風がガラッと変えることはよくあります。

数日前までの予測では、次の週末あたりから梅雨前線が本州付近に来る気配もありましたが、台風3号が大気の流れを乱し、梅雨前線をぐちゃぐちゃに崩してしまうと、梅雨前線の北上が、6月下旬以降などさらに遅れることも。実は、そういった予測も一部には出てきています。

本格的な梅雨がどこまで遅れるかを左右する意味でも、今回は注目の台風です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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