千葉で大型商業施設のベビールームからごみ箱に捨てられた使用済みの紙おむつを持ち去ったとされる30歳の男が逮捕された。目撃した利用客が通報し、防犯カメラで特定に至ったという。男には何罪が成立するか。

 性欲をみたすため、女子トイレのサニタリーボックスから使用済みの生理用品を持ち去るといった事件は現にある。しかし、さすがに赤ちゃんの紙おむつの例は聞いたことがない。男の動機が気になるところだ。

「資源ごみ」ではない

 もっとも、ごみの持ち去りが地域のコミュニティで問題になることはある。アルミ缶などの「資源ごみ」だ。ごみとして捨てられたものであることに変わりはないし、集積所は自宅の外、それも路上近くやマンションの一角にある。

 法的には誰のものなのかが問題となり、そのままだと窃盗罪に問えない場合が多いから、条例で規制する自治体もある。自治体の所有だと規定し、窃盗罪で処罰できるようにしたり、指定業者以外による回収を禁止し、違反者に罰金などを科せるようにしたものだ。

 しかし、今回のケースは明らかにこうした条例の対象外だ。しかも、使用済みの紙おむつは資源ごみと違って財産的価値がなく、窃盗罪の対象である「財物」にすら当たらない。ベビールームのごみ箱に捨てられており、店舗の占有下にあるから、遺失物横領罪も成立しない。

 そこで、ごみ箱から紙おむつを持ち去るためにベビールームに立ち入ったという点をとらえ、男は建造物侵入罪に問われている。店舗側がその目的を知っていたら、入室を拒否するはずだからだ。

 男は容疑を認めているという。最高刑は懲役3年、罰金だと10万円以下だ。警察が事件の経緯や余罪の捜査を進めている。(了)