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ノート(172) 身の振り方を決定づけた警備隊長の言葉とは

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~教育編(10)

受刑55/384日目(続)

取調べ室や面接室での所作

 警備隊長による講義では、取調べ室や面接室における受刑者の「あるべき姿」についても指導された。

 例えば、入り口の扉のところで上体を15度の角度で倒すお辞儀をし、「入ります」と言い、許可を受けて入室するとか、室内の白線の上でいったん立ち止まり、今度は上体を30度の角度で倒すお辞儀をし、自らの称呼番号と氏名を大きな声で言わなければならないといったことだ。

 指示がない限り、勝手に椅子に座ることは許されない。取調べや面接が終わると、「回れ右」をして扉から外に出た後、そこで再び「回れ右」をし、「ありがとうございました」と言い、上体を45度の角度で倒すお辞儀をする必要がある。

 この警備隊長は、「特別司法警察職員」の資格を有しており、刑務所内で受刑者が暴行や傷害などに及んだ場合、取調べを行い、捜査を遂げ、検察庁に送検する責任者だった。

 武道の達人でガッシリとした体格だったが、刑務所の中で新たに事件を起こした受刑者は平然と否認するし、近くで目撃しているはずの同室の受刑者ですら「何も見ていない」と関わり合いを嫌がるので、刑務官による真相解明には苦労するという。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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