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ノート(130) 厚労省事件の捜査・裁判では客観的な事実や証拠をどう見ていたか

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

~裁判編(3)

勾留173日目(続)

震災一色

 この数日間、新聞もラジオのニュースも東日本大震災や福島第一原発事故の報道一色だった。

 思い返してみると、直接の因果関係はないにしても、約2週間に予兆のようなものはあった。ニュージーランド南部クライストチャーチで発生した大地震だ。

 英会話などの能力を伸ばして仕事に活かしたいといった夢や希望を抱き、異国の地で語学留学中だった多くの日本人学生が被災し、そのうち28人が死亡していた。海外で勉強しているときに被害にあうなどとは本人も家族も思ってもみなかったことだろう。

想定問答の詰め

 かといって、翌日に迫った初公判が延期になるわけではなかった。地球規模の異変が迫りきているのではないかと思うと不安だったし、どこか気持ちも浮ついていたが、裁判に向けた最低限の備えだけは進めておく必要があった。

 被告人質問に関する準備のうち特に重要となるのは、検察側や裁判所から出されるであろうあらゆる問いを想定したうえで、きちんとした答えを準備しておくことだ。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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