インフルエンザにかかった後は心筋梗塞になりやすくなる!?

(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

今年のインフルエンザは流行開始が早く、12月25日の時点で定点当たり報告数は21.22となっており、正月はまさに流行のピークに近づいています。

インフルエンザ流行マップ(国立感染症研究所 第51週 2019年12月25日現在)
インフルエンザ流行マップ(国立感染症研究所 第51週 2019年12月25日現在)
インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(国立感染症研究所HPより)
インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(国立感染症研究所HPより)

さて、インフルエンザというと、高齢の方や一部の持病をお持ちの方を除いて、ほとんどの人は後遺症なく良くなる疾患だと思っていらっしゃるかと思います。

しかし、インフルエンザにかかると心筋梗塞になりやすくなることをご存知でしょうか?

インフルエンザと診断されて7日以内は心筋梗塞になるリスクが6倍に!

インフルエンザにかかると心筋梗塞になりやすいのではないかという仮説は1930年代頃から言われていたようですが、昨年それを証明する研究がNew England Journal of Medicineという医学誌に掲載されました。

この研究によると、インフルエンザと診断されて7日以内は心筋梗塞になるリスクが6倍(インフルエンザBでは10倍、インフルエンザAでは5倍)になるとのことです。

これはインフルエンザにかかることで、血管に炎症が起こり血管の内皮が傷ついて血栓ができやすくなったり、感染のストレスによって心血管が攣縮(血管が痙攣性の収縮をすること)し血管内腔が詰まったり、といった機序が考えられています。

特に65歳以上の高齢者で多くなるようですが、これはもともと心筋梗塞が高齢者に多い疾患だからだと考えられます。

ちなみに診断されてから7日以降は心筋梗塞に対するインフルエンザの影響はなくなるようです。

ということで、インフルエンザはそれ自体が重症化することがあるだけでなく、二次的に心筋梗塞を誘発しうる怖い感染症なのです!

インフルエンザは予防できる感染症です!!

さて、心筋梗塞は生活習慣病ですのでワクチンで予防できませんが、インフルエンザはワクチンで予防できる感染症です!!

「なんだ、結局またその話かよ」と思われたかもしれませんが、そうです、結局またその話です!

ワクチンを接種してもインフルエンザになる方はいらっしゃいますが、ワクチンを打っていないヒトよりもインフルエンザには間違いなくかかりにくくなります。

また、インフルエンザワクチンは接種することによって、かかったとしても重症化を防ぐことができます。

特に重症化するリスクの高い高齢者、妊婦さん、ステロイドなどの薬を飲んで免疫が弱っている方などはインフルエンザワクチンを接種することが強く推奨されます。

これから年末年始にかけてインフルエンザは流行のピークを迎えることが予想されます。A型インフルエンザに罹った後でも、その後B型に罹ることだってあります。まだ間に合いますので今のうちにインフルエンザワクチンを接種しましょう!

米国疾病予防管理センターの推奨(MMWR Recomm Rep 2013; 62:1.)を元に筆者作成
米国疾病予防管理センターの推奨(MMWR Recomm Rep 2013; 62:1.)を元に筆者作成

集団免疫で自分だけでなく周りの人もインフルエンザから守ろう

またこのような重症化しやすい方と一緒に住んでいる人、接する頻度の高い人も自分の家族や大事な人にインフルエンザをうつさないためにワクチン接種が推奨されます。

ワクチンには集団免疫と言って自分がワクチンを接種することによって自分だけでなく周りの人を守る効果もあります。

持病のない若い人のワクチン接種率が高い集団では高齢者のインフルエンザ発症率が低くなるとされています。

自分のためだけでなく、自分の家族や大事な人を守るためにもインフルエンザワクチンを接種しましょう。

集団免疫とは(Wikipediaの画像より筆者が翻訳 https://en.wikipedia.org/wiki/Herd_immunity)
集団免疫とは(Wikipediaの画像より筆者が翻訳 https://en.wikipedia.org/wiki/Herd_immunity)