普段は野球をまったく見ない私もWBCには引き込まれてしまいました。今回、一気に知名度がアップした選手の1人として、言うまでもなく、ラーズ・ヌートバー（Lars Nootbaar）選手がいます。当然ながらマーチャンダイジングの市場機会も大きいと思われるので、同選手に関係した商標登録出願について調べてみました。

”NOOTBAAR”あるいは”NOOTBAR”なるプロテインバーでもあればおもしろいのにと思っていたら、本当に米国で栄養バー等を指定商品に出願されていました。以下の商標が審査中です。出願日はいずれも2021年9月9日です。（Yahoo!のオーサリングシステムの機能上、表組みができないので見にくくてすみません、商標、出願番号、指定商品、現在の状況の順に並べています。）

NOOTBAAR 97018430 ”fruit-based meal replacement bars for boosting energy” 登録査定後出願人の使用証拠提出待ち（注：米国では登録のためには商標を実際に使用する必要があります）

NOOTBAAR 97018429 ”cereal based energy bars; candy bars” 同上

NOOTBAAR 97018432 衣類関係 同上

NOOTBAAR 97018433 ”nutritional supplement energy bars” 先行登録”BAAR”との類似を理由とする拒絶理由通知対応中

出願人は、C. Nootbaar Inc. という企業です。便乗出願の可能性もあるかと思いましたが、本人が商標登録出願したことは米国でも報道済みであり、マネジメント会社による公式の出願ということで間違いないでしょう。

C. Nootbaar Inc.を出願人とする出願を調べてみると他にも以下のものがありました。こちらも出願日はすべて2021年9月9日です。なお、ペッパーミルを指定商品にした出願は少なくとも今のところはないようです。

NOOOOOOT 97018435 衣類関係 登録査定後使用証拠待ち

NOOT 97018428 ”nutritional supplement energy bars” 同上

NOOT 97018426 ”fruit-based meal replacement bars for boosting energy” 同上

NOOT 97018422 ”cereal based energy bars; candy bars”　同上

NOOT 97018427 衣類関係 同上

ということで、商標が実際に使用され（商品が販売され）使用証拠が提出されさえすればほとんどの出願が登録されるでしょう。

なお、マーチャンダイジングの市場機会としては米国よりも日本の方が大きいと思われますが、現時点ではヌートバーあるいは関連した言葉の日本における商標登録出願はないようです。とは言え、仮にヌートバー選手と関係ない第三者がそのような商標を便乗出願しても、商標法4条1項第15号（商品又は役務の出所の混同）、4条1項第7号（公序良俗違反）等で確実に拒絶されると思われますので時間と金の無駄になるだけでしょう。