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ソニーが視聴者投票でゲームのプレイヤーを退場させる発明を米国で特許化

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
(写真:アフロ)

ビデオゲームの実況(ブロードキャスト)をネット経由で多くの人が視聴するというスタイルが普及しつつあります。野球やサッカーなどのマルチプレイヤーのスポーツゲームの実況を視聴することが一般化する可能性もあります。

このような環境において、反則行為、マナー違反、実力不足などを理由にして、視聴者の投票に基づいて、特定のプレイヤーを退場あるいは交代させる方法の特許を、ソニーが米国で出願しています(そして、実は後述のとおり事実上権利化しています)。

公開番号は20210213360、発明の名称は” SPECTATORS VOTE TO BENCH PLAYERS IN A VIDEO GAME”(視聴者の投票によりビデオゲームプレイヤーを退場(ベンチ入り)させる方法)です。出願日は2020年1月15日です。現時点では海外での出願は確認できていません。

米国特許の審査経過を調べてみると、何とすでに特許査定が出ていました。拒絶理由通知もクレーム補正もなく一発特許査定となっています(同ジャンルの特許出願がなかったとということなのでしょう)。後は特許料さえ支払えば特許登録されますので、ほぼ確実に特許化されるでしょう。

一発特許査となったことから、かなり広範囲で特許化できています。明細書には実施例として、完全に退場させるのではなく、ベンチ入りさせて後で復帰できるようにしてもよいとか、退場が続くプレイヤーは他の人に迷惑なのでそういうプレイヤーだけを集めて対戦させるようにしてもよい(ひどい)とか、補正用のネタが記載されているのですが、それらの限定を使うまでもなく特許化できてしまいました。

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弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

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