小柳津林太郎が語る「仕事論」【新春特別対談 小柳津林太郎×倉重公太朗】後編

【前回のまとめ:サイバーエージェント(CA)で順風満帆なキャリアを歩んできた小柳津氏は「バチェラー」出演後に、これまでとのギャップ、これからのチャレンジに悩み、葛藤した結果、愛する会社を離れて独立することを決意した。その理由と今後の展開とは・・・】

小柳津:いまは独立起業して、「ハイブリッドサラリーマンズクラブ」というオンラインサロンを8月から始めています。その構想は、やはり3~4月ぐらいから、「こういうのをやりたいね」と仲間内と話していました。要は、組織が好きだし、組織人としてやっていきたいのですが、とは言っても2~3足のわらじを履いて、自分の自己実現を満たすことや金銭的なことを満たしていく部分を、課外活動を通して、セットでやっていける人たちを増やしていかないと、私みたいに好きなのに辞めるというのはもったいないと思います。

倉重:もったいないですよね。改めて、この話が出てきたので、今やられているオンラインサロン【ハイブリッドサラリーマンズクラブ】の内容をご紹介ください。

小柳津:はい、8月1日からハイブリッドサラリーマンズクラブ合同会社という一応箱を作って、ハイブリッドサラリーマンズクラブというオンラインサイトをDMMでやっています。

倉重:ちなみに私も入っています。

小柳津:ありがとうございます。基本的には、やはり大前提に組織人として、ビジネスパーソンとして大小ともあれ、会社で働くことはすごく大事だと思っています。それは、やはりフリーランスとは違って、1人ではできない大きなことを皆で力を合わせて達成しにいくということは、すごく大事な行為だと思います。そこを大前提に一番尊重しています。

 その前提で、と言っても自分でやりたいこととか、企業のアッパーを感じる場合とは別で、副収入を作っていかなければいけないとか、いろいろな個人の、何も隠し立てせずに、モチベーションとか、不安に対するリスクヘッジはあると思います。それをきちんと実現できるような人たちを1人でも増やすことが目標です。

 ですから、副業には二つあって、副キャプテンの副と、複数の複と完全に2つに分かれていますが、あまり私は自分の今の能力での時間の切り売りでの収益を稼ぐという副業はどうでもいいと思っています。どちらかと言うと、自分の中長期的なバリューアップにつながる新しいチャレンジの本業をやりながらやっていくことです。

倉重:いいですね。そういう発想はいつ至ったのですか。

小柳津:今も答えがまとまっていませんが、考えながら並走中です。そうは言っても日本は、生産労働人口が18~65だとして、そこの人口はどんどん減っていきます。しかし、日本のGDPを伸ばすためにも外国人の力もそうですが、65を多分85まで延ばすことなどを考えていかないといけないです。しかも、85まで現役で働けるのであれば、働いたほうが幸せではないですか。

倉重:そうですね。生涯現役ですね。私の弁護士事務所にいる森田弁護士は84歳の現役で、まだまだやっています。

小柳津:84歳ですか。

倉重:超元気で、いまだにエベレストを登る人です。

小柳津:すごいですね。結構、理想の先生像ですね。

倉重:そういう姿を見ています。まさに今、日本の雇用社会というか、働く世の中というのは、すごく変わっている最中です。例えば、トヨタが最高益だとか言われている中でも、20年・30年先の不確実性がすごく高いです。この会社に入ったら、一生安泰とか、そういうことはもうない世の中だと思います。

小柳津:おっしゃるとおりです。

倉重:そういう中で、まさに小柳津さんがおっしゃったように、ハイブリッドな働き方というのは、実は一番セーフティネットではないのかなと思います。

小柳津:正に!おっしゃるとおりです。

倉重:どうしてそういう発想に立ったのかというのかもそうですし、こういったハイブリッドな働き方を広めるにはどうすればいいかと、私も常々思っています。

小柳津:事の発端として、私はCAで13年働いていて、それなりに給料をもらっていて、しかも、ずっと目の前の仕事で手がいっぱいでしたが、バチェラーに出てから、違うニーズが生まれてきて、こちらも応えなければと思っているうちに、自分の本業とのバランスの取り方を1回悩んだのですが、私以外にもそういう人が出てきてもおかしくないかと思います。例えば、社員をやりながらYouTubeを始めてみて、当たって、そちらの収入のほうが大きくなったという人もいると思います。

倉重:そこで、ハイブリッドなサラリーマンというところが、すごくいいと思います。

小柳津:そうなんです。

倉重:起業しようというのは簡単です。しかし、全員が全員それだけで行けるかと言ったら、正直難しいと思います。やはり、いろいろなことをやりながら、自分には何が合うかなと探すのが、逆に一番安全だと思います。オンラインサロンはどんな活動を?

小柳津:そうですね。いったんは毎日情報を発信するだけです。ただ、それも慣れてくるので、今後はもう少し今いるメンバーが実際にハイブリッドになるための活動をしたいです。プロジェクトを発足して実際アクションに落とすところの支援をどうするかを今模索してます。

倉重:そのメンバーが実際に働きながら起業する時のサポートや立ち上げストーリーをリアルタイムで追っかけるのは面白そうですね。

小柳津:ええ。私が今思っているのは、サラリーマンをやりつつ、自分の合同会社ぐらいは皆持っている世の中にならないか、ということです。何か副業的なことが発生したら、別に個人の開業申請をして、受けるでもいいですが、会社1つ持っていると、持っている感があります。屋号を決めロゴを作って家主になります。

倉重:今は1円で起業できる時代ですから費用はそんなに掛からないですね。いつか上場したりして、という夢もありますしね。会社設立も支援するし、何ならここのサロンの入会資格として、会社を作って入りなさいというようにしても、面白いですね。

小柳津:そういう感じです。1つ作っていれば、それをどう生かすかと考え始めるので、それは別に営利目的でなかったとしても、こういう会社を持っていますと。作ったら、その会社の意味を考えなければいけないのです。

倉重:そうですよね。そして、小柳津さんはオンラインサロンだけではなく、小柳津さん個人の会社も、GHOSTを立ち上げられていますよね。

小柳津:GHOSTという会社はWELLNESS, WELL-BEING、いわゆる人生を豊かにするための必要なモノ(プロダクト)やコト(サービス)を作って、デジタルを駆使し広めていく事業を企画しています。ゆくゆくは、メンズスキンケア事業、アパレル、飲食×ITのモデルを模索中です。機が熟したら発表します!食やお酒も人生を楽しむために必要な要素ですよね。

倉重:ただ、栄養とかというだけではなくて人生を楽しむ、ということですね。そういう意味では、男性の美容とか、これからもまだまだニーズは出てきますね。

小柳津:これは来るな!と自分が思えて、自分自身もニーズがある領域を事業化していきたいです。

倉重:なるほど。そういうことですね。改めて、今後、小柳津さん自身の会社を含めて、展開をどうイメージされていますか。

小柳津:まずは、オンラインサロンに関しては、最初の構想としては、キングコングの西野さんのサロンをベンチマークにしていました。規模が凄いですよね…。

倉重:私も入っていますが、サロンメンバー3万人とかですもんね。

小柳津:3万人はすごいなと思って、そこまで持っていくためには、それにもっとコミットしないと難しいなと思います。ただ、オンラインサロンは、やはりコミュニティーなので、人が増え過ぎても、コミュニティーの中の人間関係の濃度が薄れるのは、ちょっと怖いなと思って、あまりあえて過度にPRしないです。今の300名の中から、ハイブリッドサラリーマンだというケーススタディを徐々に作っていってから、もう少し広げていこうかと思います。

倉重:ここに入ったら、こういういいことがあるというのが分かりやすいですね。

小柳津:そうです。学生も何人かいるので、その子たちには、就活支援です。

倉重:それは普通にいいですね。あれだけ実績のある方々がたくさんいますから。もし、法律的にもめたら、私のところへ来てください。

小柳津:ありがとうございます。

倉重:あとは、個人の会社というところはどうですか。

小柳津:個人の会社としては、ビジネスでもう一回当てるということです。いつか妄想していることは、ビジネスを当てた後の40代のチャレンジとして、アメリカで俳優業にチャレンジすることですかね?(笑)あくまでも妄想ですよ、妄想。要は、あちらのドラマや映画のアジア人枠で入り込めたら面白いなーと思っています。

倉重:それはすごいチャレンジですね。

小柳津:何歳からでも新しいチャレンジをするのは自由ですよね。特に俳優業は自分の人生の色濃さがそのまま役に出るのです。それは40以降の妄想としてとっておきます。

事業をきちんと成功させて、人もある程度雇うのですが、上場を目指すとか、M&Aでキャピタルゲインを得ようとか、そういうモチベーションが今はないです。少数精鋭で本当に意味のあるイケている価値を一つ一つ丁寧に作っていくことです。自分の資産なども、ある程度築いてから、40代の新たなチャレンジとして前述した、ハリウッドに(妄想)ボリウッド、中華圏なのか…僕は英語がベースなので…。

倉重:常に走りながら考えている感じですね。

小柳津:本当にそうです。先のことは決めていないです。

倉重:それが、ここに出ていただく人は、多分皆そうです。よく就活などはそうですが、やりたい業界とか、夢は何ですかと聞くと、「そんなあるわけないだろう。分からないよ」と。それが当たり前と思うので、いや、むしろいろいろやっていく中で、これは面白いなとかと、多分、いろいろ引っ掛かる、フックされるものが、人それぞれにあって、それを後は、取りどころを追求していくかという話だと思います。いろいろやってみないと、まず分からないという話は、いつもここでします。

小柳津:そうですよね。

倉重:違う面をもっと楽しんで、結果的に皆な同じ方式だと思っています。多分、それが今の生き方かという気がしていますので、この考え方は是非読者の皆さんも意識してやってほしいです。

 そろそろ終わりが近づいていますが、このテーマの対談の趣旨である「働く」ということに関して、去年から働き方改革と言われていて、一番言われているのが、労働時間を短くしようという話が一番先行しているのです。

 そうだとすると、若い人とか、特に子どもとかそうだと思うのですが。働くのは良くないことなのとか、面白くないのとか、こう思ってしまう人が多いのだろうと思います。楽しく働いているように小柳津さんは見えますし、そういう小柳津さんからして、働くというのは何であるかを若い人向けにアドバイスして頂きたいのですが。

小柳津:昨日、たまたまネットフリックスで、山田孝之さんのドキュメンタリーの番組を見まして。彼は俳優に固執しているかと言うと、そんなことはないんです。俳優業は今一番楽しいと思っているから俳優をやっているだけで、ほかに本当に面白いものが見つかったら、全くそちらでもいいと思っているのです。イコールやはり、自分が本当に、エンターテインメントの世界だと、自分が一番楽しんでいないと、そもそも人を楽しませることはできないという前提があります。

 やはり結局、楽しいから仕事をするというのが、究極の理想なのだと思います。お金がもうけられるとかは、もちろん十分状態としては有りと思います。ある一定の生活をする、ないし家族を養うという意味でのお金は必要ですが、それを通り越してくると、やはり、要は、「わあー、楽しい」と思えないと、仕事は究極駄目なのだろうと思います。

倉重:心から楽しんでいるかどうかですね。

小柳津:そうです。私もやはり、自由の身にいったんなって、こういう場でお話しするのは、私は、表現という意味ですごく楽しいです。やはり、どれだけ楽しめる人たちを増やすかということを、仕事を通して見つけていこうと思います。

倉重:一緒に楽しもうぜというマインドで働いていらっしゃるということですね。

小柳津:そうです。実際に起業すると大変なこともたくさんあります。「あれ、お金がどんどんなくなっていく」という事象もありますし、公庫筆頭に、銀行さんに「融資お願いします。」と走っている最中です。

倉重:(笑)。

小柳津:やばい。お金を稼がないと人に払えない!!??そんな事象も楽しく味わいながら走っています。

倉重:さすがですね。私も昨年自分の事務所を作って独立したので、やはり、毎月銀行口座からお金が減っていく感覚は不安もありますが、そこも楽しむということですね。

小柳津:本当にそうです。仕事をしているときにアドレナリンがでるようなものを見つけたいと思います。自分に対しても思いますし、世の働く皆さんに対して、そう思います。

もちろん仕事ですから、楽しくない時期は絶対あります。そうであれば、リスクヘッジではないですが、満足感を得るための課外活動が大事です。あえて満足度を作るために全体で自分のバランスを取りにいくということです。

倉重:サードプレイスですね。それは心身のバランスを取るという意味でも大事ですね。

小柳津:課外活動をしていると、多分、新しい発見があって、「この考えとか、この情報、ないし、このネットワークを本業に生かそう」となって、本業が楽しくなってきたら最高です。

倉重:いい循環ですね。

小柳津:そうです。課外活動はやはり、あくまでも本業を、どうもっとのし上がっていくかというためのチャレンジと思います。

倉重:素晴らしいです。あとは、小柳津さんからオンラインサロンの若い人に贈る言葉をお願いします。

小柳津:サロンの活動がメインになり過ぎると、それはそれでバランスが取れなくなります。あくまでも本業で息詰まるけれども、本業を頑張っている前提の復活動です。

倉重:いいですね。復業の復の字を間違えないようにということですね。私からの最後の質問です。改めてですが、小柳津さんの夢を語っていただきたいと思います。

小柳津:夢というと、大学4年からビジョンは変わっていないです。「表現者として大成する」と言っています。死ぬまで表現技法と表現哲学を磨き続けることです。

倉重:死ぬまで生涯現役ですか。いいですね。

小柳津:人生レベルの夢という意味ではビジネスで当たって、それなりにキャッシュがたまってきて、ゆくゆくは、スポーツチームのオーナーとかやりたいと思っています。

倉重:またそれでサイバーさんと一緒に仕事で、改めて恩返しをしたら面白いですね。

小柳津:そうですね。

倉重:今日は面白かったです。今日はありがとうございました。

小柳津:はい。ありがとうございます。(拍手)

対談協力:小柳津林太郎(おやいづ りんたろう)

1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、サイバーエージェントに新卒入社。マーケティングプランナーを経て、入社3年目で子会社「CyberX」の社長に就任。29歳のときには米国子会社の立ち上げにも関わる。2018年、Amazon Prime Videoが手掛ける婚活サバイバル番組『バチェラー・ジャパン』に2代目バチェラーとして登場、人気を博す。その後、AbemaTVアナウンス室部長などを経験し、2019年に独立。現在は、DMMオンラインサロンにて、「ハイブリッドサラリーマンズクラブ」の運営や、”Stay Gold TV”というYouTube チャンネルの立ち上げ、複数社の顧問業に従事している