【荻野勝彦×倉重公太朗】「日本型雇用はどこへ行く」第4回(デジタル化する労働と労組の役割)

倉重:これからは未来の話というものに移っていきたいんですが、AI時代。こからはどんどんAIに仕事を奪われる。奪われるという表現はちょっと違っていると思いますけれども、AI、ビッグデータを使った働き方というものがどんどん身近になってきて、働くということもUber化していく、つまりデジタル化をしていくという中で、まず働くという未来はどういうふうに変わっていくというふうに思っていらっしゃいますか。

荻野:分からないとしか言いようがないですね(笑)。それが分かったら、もう本当に多分、とてもお金持ちになっていると思うんですが、残念ながら分からない。ただ、一つ大事なことは、急激にやらないことだと思います。もし急激に変わりそうになったら、政府が上手にショックアブソーバーをつくることが必要だと思います。

 エネルギー革命で、エネルギーの主力が石炭から石油に移ったときに、相当数の炭鉱労働者が失業したことがあります。

倉重:確かに、そうでしたね。

荻野:あのときは政府が介入して、のちの雇用促進事業団を作ったりして、行き先を探したり、支援したわけですね。

倉重:失業なき労働移動を政府として支援したわけですね。

荻野:企業もがんばって対応しようとはしたと思うのですが、やはり規模が大きいのと速度が速いのとで、なかなかうまくいかず、大きな争議が起きたりもしましたが、もし本当に今回企業の努力を超えるような激変が来るということになれば、激変緩和を政策的にやるべきでしょう。急激に、一気にやろうとすると、大変な混乱が避けられないと思いますので。

倉重:確かに石炭から石油になったときに、石炭の仕事はなくなり、石油関連の仕事が増え、新しい仕事は増えているんだけれども、そこに勝手に行けだと、それは確かに酷ですよね。

荻野:政府が必要なトレーニングして新規分野での雇用を促す、いわゆる積極的労働市場政策が大事だというわけですが、やはり行先があるということがまず大事になります。行き先があって、そこが人手不足であれば、政府がやらなくても企業がトレーニングするかもしれません。AIは、非常に便利な道具であることは間違いないので、それを使って効率化、省力化がされていく分野というものは間違いなくあるでしょう。

倉重:ありますね。人が要らなくなるということはあるでしょうね。

荻野:いっぽうで、おそらくは、AIを使うことによって、また新しく出てくる、できてくる仕事、できれば高付加価値な仕事というものもあるだろうと期待したいですね。それが出てきて来れば、そちらに上手に持っていくということはできるでしょう。とにかく日本の場合は労働力が減っていくので。

倉重:減った労働力をテクノロジーでカバーできるんであればむしろちょうどいいかもしれませんね。

荻野:労働力はやっぱり増えたほうがいいとは思いますが、減った分をカバーする手段としては期待できますよね。だから上手に使っていくということ。そこのときに、今までみたいな長期雇用で雇われて働くという働き方がどのくらい一般的でありうるのかというのも、まあ分からないとしか言いようがないわけです。ただ最初に申し上げましたけれども、テレワークなんかは、技術進歩を取り入れて、見切り発車的になし崩しに進んでいったわけです。もともと人事管理はどうするんだとか、評価はどうするんだとか、労働時間の管理はどうする、労災が起きたらどうするとか、たくさん問題があって、けっこう積み残しになっているものもありますよね。それでも進んだ。それでもガイドラインは作られて、もう出ましたかね。

倉重:テレワークについてはもう出ました。

荻野:ああいう風に、新技術を使った働き方は見切り発車的に増えていって、ガイドラインが後追いになることは今後もあるでしょう。

倉重:恐らくテレワークは来年から爆発的に増えるでしょうね。上限規制対応もあり。

荻野:ガイドラインを見ると、事業場外みなし労働時間制がものすごく使いやすくなったイメージがある。先生、あれはどうなんですか。あのガイドラインを文字どおりに読むと、これまで実務的にはほとんど使えないとされていた事業場外みなしが復活するように思えるのですが。そうなると、本当に大きく増える可能性もありそうです。

倉重:実際に即応義務がなければ、みなしでいいと、書いてあるんで昭和の時代の通達に比べれば使いやすいですよね。あとは決めごとで即時応答をしなくていいよと決めればいいんで。

荻野:端末を持っていてクラウドにつながっているような働き方をする人なら、そう決めて、実際そうすればいいんですね。それならかなり現実的ですね。

倉重:そうです。あれを理解していない監督官の人が結構多いんで、端末を持っていたら、全部、労働時間を把握できるんじゃないかとか言うんですけれども、あれはそうじゃないだろうということになります。

荻野:在宅だと、仕事を離れて、一時的な離業も当然が発生するでしょうが、ガイドラインはそれも自己申告でいいと書いていますよね。労災の話は、在宅勤務でも労災になるということを使用者が徹底してくださいと。

倉重:そこは決めの問題ですよね。

荻野:労基法上は、労災は無過失責任なので、労災補償のところはそれでいいと思いますが、あとは民事ですね。

倉重:テレワークに関する安全配慮義務違反(民事損害賠償請求)については長時間労働事案でない限りは基本的に企業側の過失は認めづらいと思います。民事は過失責任ですからね。

荻野:民事についてどうなるかを心配する使用者はいるでしょうね。

倉重:そうですね。そこは過失責任だというものを、ちゃんと裁判所もご理解くださいという話だと思います。

荻野:この流れの中では、いわゆるクラウドワーカーのように、フリーランス的な、雇う、雇われるではない働き方も増えるでしょう。企業としても、ある程度、タスクの幾つかをジョブとして切り出して、渡して、あとはお任せしますということで業務が成立するなら、必ずしも雇用契約にしなくてもいいかもしれないですね。

倉重:そうですね。プロジェクト単位の雇用ということになると、いわゆる通常の雇用契約である必要性はどこにあるのかということになりますね。

荻野:請負で、フリーランスでお願いしますと。IT業界などではかなり先行して、どんどん進んでいる実態もあるようですし。

倉重:もう既にやっていますね。

荻野:クラウドワークのプラットフォーマーもいくつかできてきていて。ただ、そこでは、労働条件というか、契約者の報酬が低いという問題が指摘されているようです。

倉重:そうですね。あとは、やっぱり契約が確実に履行されないとか。

荻野:これからフリーランスが増えるのであれば、そこをどう上手にやっていくかということが、とても大事になるでしょう。フリーランスになると、今の日本の企業型の日本型福祉、家族と企業が基本的に負担をしていく日本型の福祉というものの典型からは外れてきてしまう。例えば社会保障とかもそうです。

倉重:確かにデジタルワーク時代のワーカー保護はどうあるべきかというのは先進国共通の問題意識になっていますね。

荻野:国民年金と国民健康保険だけだと、フリーランスで長くやっていくのはいろいろ心配があるというのは確かにあるでしょう。

倉重:弁護士も国保ですからね。

荻野:国保と国年ですか?

倉重:そうですね。

荻野:今までだって自営業者はそうだったんだから、フリーランスもそれでいいじゃないかと言えるのかどうかというと、そうでもないのではないかという問題はある。

倉重:でも、やっぱり年金制度全体との、それは統合というものもちょっと考えてもいいのかもしれないですね。

荻野:自営業で働く人は急速に減っていて、その分が非正規の増加に大体相当しているそうですね。で、正社員はそれほど増えも減りもしてないという社会で、ある意味非正規の派生形みたいなフリーランスの人もいるわけですから、非正規雇用の人と同様に、そういう人の社会保障のこと考えないといけないでしょう。

倉重:退職金とか年金のことを考えて、独立とかフリーランスになるのを思いとどまる人というのは結構いますよね。

荻野:自己管理でやりなさいといっても、なかなかできませんよね。

倉重:だから社会保障制度を統合して欲しいわけです。フリーランスだろうが、雇用されていようが、社会保障は変わりませんよというような社会構造に持っていけないのかなと思っています。サラリーマンを辞めたら損だ、という社会保障制度だと中々独立を促すのは難しいですね。

荻野:社会保障は詳しいことは分かりませんのですが、それも一つの考え方なのでしょうか。少なくとも安全網、セーフティーネットは準備しておく必要はあるはずで、例えばフリーランスは失業給付も出ないとかというのも、まずいのではないかと。

倉重:そうなんです。アンバランスですよね。

荻野:フリーランスで、仕事がなくなったら、収入もまったくなくなってしまうのというのはまずいですね。何らかの生活扶助的なものも、やっぱりあったほうがいいと思います。

倉重:もちろん最低限のセーフティネットとして生活保護があるわけですが、その上に、ワーカー達のセーフティーネットという意味でもう1段、2段何らかの失業保険的な保護が欲しいですね。そういう中で、働き方というものが変わってる中で、労働組合の存在意義とか役割というものも変わってくると思います。

荻野:まずフリーランスの話で続けますと、ガイドラインを見ると、雇って働いている人の賃金を参考にして料金を決めなさいみたいなことが書いてあるわけですね。まあ、端末があって、クラウドでつながっていてという働き方の人だったら、多少、考慮するというのもあるかなとは思うんですけれども、普通に考えれば、これまでの一般的な自営業者、自分で材料を買ってきて自分で加工して売りますという自営業者に対して、自社の従業員の給料を考慮して発注金額を決めなさいといわれたら、それはおかしいですよね。

倉重:本当におかしいですね。

荻野:フリーランスにまで同一労働同一賃金的な発想を入れて保護しようというのは、やはり無理があるでしょう。そこは、フリーランスの中間団体を産別なり職種別なりに作って、中間団体が業界団体なり個別企業なりと取引条件について交渉、協約できるようなしくみができるといいと思います。

倉重:産別交渉的にやっていくと。

荻野:現状だと独禁法があるのでなかなか難しいらしいのです。労働組合でなくても、フリーランスで中小企業等協同組合をつくれば、これには交渉権と協約権が認められているのですが…。

倉重:業界団体を作って交渉していくというのは一つの解になりそうですよね。

荻野:そうなんですが、実際に活用されている例というのはあまりないらしいのですね。中小企業とは違って、フリーランスは生身の個人なので、それに適した、フリーランスの中間団体がうまく機能するしくみを考えて、とりあえずはミニマムを協定するといったことができないものかと思います。あと、労組のいわゆる政策・制度要求については、フリーランスが増えて中間団体が大きくなれば、たとえば社会保障制度の充実を訴えてロビー活動をするといった形で影響力を発揮することもできるかもしれません。

倉重:そうですね。フリーランスじゃないですけれども、例えばビクターとかINAXの最高裁判決、それから新国立劇場とか、いわゆる、あとは今、労働委員会でやっているのはセブン‐イレブンとかファミリーマートの、いわゆる労働組合法上の労働者性で解決をしようと。こういう解釈論もあり得るところですが、ちょっと限界があるんじゃないかと思っています。

荻野:あれはちょっと無理がありそうに思っています。INAXメンテナンスも新国立劇場も、確かにフリーランスかもしれませんが、非常に依存度の高い人と、そうでない人が混在しているわけですよね。

倉重:労働者的ではあるのは分かるんですけれどもね。

荻野:整理が必要だろうと思います。INAXメンテナンス事件についていえば、それなりに手広くやっている水道工事業者もいれば、ほぼINAXの仕事に依存している個人のフリーランスもいるわけですね。これが同じ枠組みでいいとは思えないわけです。INAXメンテナンスの場合は、INAXの指定した正規品ではない、安価な部品を使ってトラブルになるということがあったらしいのですが、それに対する対処だって違ってくるでしょう。実際問題として、請負の品質リスクを嫌うのならきちんと雇用して管理すればいいわけで、私はINAXメンテナンスの使用者にはあまり同情していません。

倉重:そうですね。コンビニを経営する「法人」だって労組法上の「労働者」だという、訳の分からない解釈になっちゃうんで。

荻野:新国立劇場事件のほうも、歌手が合唱団員のときは労組法上の労働者だという判決ですが、それでは同じ人が、舞台で役が付いてソロで歌うときはどうなのか。新国立で合唱を歌う人なら、もっと小さい舞台だったらソロを歌っていてもおかしくないでしょう。自営業者が休日にアルバイトをするというケースならアルバイトの方は労働者でしょうが、このケースはそこまで自明ではないなと。

倉重:ちょっと限界が来て。特にセブン‐イレブンとかファミリーマートになってくると、もうちょっと労働性というのは無理なんじゃないのと思うんですけれども。

荻野:それは無理でしょうね。フランチャイズで、自分でアルバイトを採用したりしてるわけですしね。

倉重:ただ、東京都労働委員会では、もう労働性を認めちゃっていますからね。そこは、どうなるか分かりませんが。

荻野:これも内容によると思うんですよ。同じようにセブン‐イレブンのフランチャイズの中間団体をつくって、そこに役割を果たしてもらうことが考えられますね。

倉重:そうですね。そういうことですね。

荻野:交渉できる事項というものを、ちゃんと整理すればいいと思うんです。

倉重:ちゃんとその権限を与える立法なりをして、整理すべきということですね。一方で、企業内組合の在り方とか、そういった、直接、労働者を規律する労働組合に関しては、今後はどういうふうにお考えですか。

荻野:労働組合というものは、労使間のコミュニケーションの上で非常に重要な役割がある。正直、やっぱり今、組織率もどんどん下がっていますが、それは労組がなくても労使間のコミュニケーションが良好だから下がっているのだからかまわないというものではないだろうと。

倉重:はい、労組の役割は今後も重要であると思います。ただ、存在価値が変わってくるでしょうね。

荻野:そうです。労働争議はたしかに少なくなりましたが、これだけ個別紛争が多いということは、必ずしも労使コミュニケーションが良好ではないところも多いということでしょう。難しいですね。今、議論をされているのは、労働者代表制みたいなものですね。

倉重:そうです。

荻野:労基法上の労使委員会は任意で設置できるわけですが、あれは結構ルールづくりの実務的な役割を持っているわけですね。であれば、使用者としても労使委員会を設置しようという話になる。組織率が高くない中で労使コミュニケーションを良くするための工夫ではありますが、しかし本当はやはり労働組合がいい。労働組合には交渉力がありますし、それなりの緊張関係を持った上でコミュニケーションができたほうがいい。

倉重:そうですね。労使委員会という会議体じゃなくてですね。

荻野:例えば36協定などの労使協定の当事者になる労働者代表ですが、本来なら事案ごとに、目的を明示して、投票、挙手などの民主的な方法で選出しなければいけないわけですよね。しかし、本当にそれをやっているのかというと、まあかなり心配な実態というのもあるわけです。今回の労基法改正で時間外労働の上限規制が導入されますが、そこで監督が増えれば、なにかと適法でない実態が出てきておかしくない。

倉重:やっぱりそうですね。今までは確かに怪しい所は多かったですけれども、ただ、来年4月の改正労基法施行を見据えて、今、監督署も結構、指導を増やしているんで、適正化はされつつあるとは思います。

荻野:労働者代表の選出を事案ごとに適法に実施するのは実務的には結構しんどいはずなので、だったら労使委員会をつくったほうがいいかもしれない。

倉重:わかりやすいですよね。

荻野:そして、労使委員会ができれば、それが組織化の橋頭堡になって、労組ができるかもしれない。

倉重:組合の新たな役割ということになりますね。

荻野:だとすると、結局、産別横断じゃなくて企業別になるわけですよ。

倉重:日本で産別というのは、なかなか難しいなと思うんですけれども。

荻野:同一労働同一賃金の話に戻るような話ですが、同じ業界で同じ仕事をしていても、企業の業績が違ったら賃金が違うのは当たり前という世の中に、今、もう日本はなっているわけですよ。これを急に変えるのは非常に難しい。

倉重:全部、産業別に統一しろというのは無理がありますね。ほんとの意味での同一労働同一賃金んといいますか。

荻野:春季労使交渉を見ていても、産別による違いはありますが、やはり個別労使の独立性がかなりありますね。そういうところで産別が本当に横断的に労働条件の保証ができるかといったら、多分、できない。今すぐには少なくともできないでしょう。一方で、共闘体制としての産別は重要だと思います。

倉重:そうですね。情報収集という意味でも産別は重要ですね。

荻野:ご指摘のとおりです。同業がいくらもらっているかわからなければ、交渉のしようがない。もともと、産別の中には、同業の情報交換を大きな目的としてできたものもあるわけですよ。

倉重:そうなんですよね。

荻野:違うのはいいけれども、だけどあそこがこれだけもらっているんだったら、うちもせめてこのくらいはみたいな。という上では、とても大事だと思いますけれども、産別で統一中央交渉という話にはなかなかならない。

倉重:真の労働者代表たる労働組合というものに、ちゃんと権限を持ってほしいなと個人的には思っているんですけれども、今の日本の労組法だと、1人しか入ってない組合でも何千人入っている組合でも、全く同じ労組法的な保護が与えられてしまっているのです。

荻野:そうなんです。実は労働契約法の検討過程で、一瞬だけ特別多数労働組合という発想が出てきたことがあるんです。

倉重:そんなことがあったんです?

荻野:3分の2だったかな。そこには、より強い権限。例えば唯一交渉団体約款を可能にするみたいな発想もあったと記憶しています。

倉重:アメリカ的な。

荻野:そういうものを認めてもいいんじゃないかみたいな議論が一瞬だけ出たんですが、すぐ消えてしまいました。

倉重:駄目か。。。それはいい考えですよね。連合系の皆さんは、それは賛成をしてないのですかね。

荻野:考え方によると思いますが、例えば最近もゼンセンが日高屋を組織しましたね。あれは6,000人ぐらいの大労組で、外国人も多数入っている。それはショップ制だから、比較的短期間で大きな組織ができた。経営者が理解を示さなければできないですよね。逆に、経営者がわが社も組合が必要だ、あってほしいと思ってくれれば、できるわけですよ。

倉重:ゼンセンさんは結構、組織化の営業をしてきますからね。

荻野:でも、それは正解だと思っていて、やはり経営者の理解がないと組織化もなかなか進まないし、労使間のコミュニケーションだって、経営者が理解を示して、よし話を聞こうと言ってくれた方が、ずっとスムーズになるでしょう。

倉重:どっちにしろ組合ができるならスムーズな方がよいですね。

荻野:本当は聞きたくないけれど、法律で定められた義務だから誠実に交渉に応じます、というのに較べたら。

倉重:どうせ聞くんなら対立ムードではなくて。

荻野:経営者が、じゃあ話を聞きましょうといったときに、無責任な外部の第三者が入っている労組と、企業内労組と、これはどちらの話を聞きますかといったら、当然、目に見えていますよね。

倉重:違います。当たり前ですよね。

荻野:そういう意味で、これから労使関係を良くしていくためには、企業別労組が基本だろうと思います。そこに、今の労使委員会に持たせているようなルールづくりの役割を増やしていく。法律では基準を決めるけれども、団体交渉なり労使協議を通じて、どんどんオプトアウトをしていけるようなルールを増やしていけば、組織率の高い企業別労組との話し合いを通じて、自分たちの会社、経営にとって最適なルールが実現できるというふうにしていくと、これは経営にもメリットがありますよね。

倉重:いいですね。特別多数労組の考えは面白いですね。

荻野:そういう発想があったんです。労働契約法の議論の中で一瞬だけですけれども。

倉重:検討をされたんですね。現代的にはこの点を改めて強調したいですね。 

                                                 

                                                       (つづく)

【対談協力】荻野勝彦氏

東京大学経済学部卒

現在は中央大学客員講師。民間企業勤務。

日本キャリアデザイン学会副会長。

個人ウェブサイトhttp://www.roumuya.net/。