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50年間で初めて、全銀ネットでの障害発生

久保田博幸金融アナリスト
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は10日、銀行間送金システム「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」に障害が発生したと発表した。三菱UFJ銀行や、りそな銀行など11の金融機関で他行宛ての振り込みができなくなっていた。全国銀行協会によると、全銀システムの対外的な影響のある障害は1973年の稼働以来、初めて(10日付日本経済新聞)。

 12日の朝方に全面復旧した模様。

 「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」とは全国銀行内国為替制度に加盟する銀行間の内国為替取引に関する通知の送受信、および当該取引によって生じる銀行間の為替決済額の算出・清算などを集中的に行うオンラインシステムのことで、わが国の決済システムの中核として大きな役割を果たしている(全銀システムのサイトより)。

「全銀システムとは」 https://www.zengin-net.jp/zengin_system/

 全銀システムが稼働したのは1973年。つまりこの50年間で初めて、大きな障害が発生したこととなる。1973年といえばオイルショックが起きた年でもあった。

 トラブルを確認したのは10日の午前8時半ごろ。現時点では3連休中の全銀システムの中継コンピューターの切り替え作業で不具合が発生したとされる。

 システムの不具合が発生したのは、他に三菱UFJ信託銀、埼玉りそな銀、関西みらい銀、山口銀、北九州銀、日本カストディ銀、JPモルガン・チェース銀、もみじ銀、商工組合中央金庫。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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