米長期金利は2007年以来の水準に上昇
25日の米10年債利回り(長期金利)は一時、4.54%と2007年10月以来、約16年ぶり水準まで上昇した。
2006年半ばに、それまで高騰を続けていたアメリカの住宅価格が下落に転じ、サブプライム問題が発生した。これをきっかけに2007年8月にパリバ・ショックが起き、2008年9月にはリーマン・ショックが起き、世界的な金融経済危機が発生した。
これにより米国の長期金利は低下傾向となり、2020年3月に0.5%を割り込んだ。ここが底となって米長期金利は今度は上昇基調となってきた。
2021年1月に1%を超え、2022年2月に2%を超えてきた。5月には3%を上回って、10月に4%台に上昇してきた。
つまり米国のリーマン・ショックに代表される金融不安から、その後の欧州での信用不安などによって低下していた米長期金利がそれ以前の水準を回復してきたということになる。
米長期金利のチャートをみると1981年の15%を超えたあたりをピークとして、ダウントレンドとなっていたが、2007年あたりまでは4%を超えていることも多く比較的高い水準を維持していた。そこから大きく低下したあと、切り返してきた。
日本の長期金利も同様であったが、米長期金利も1981年あたりからのダウントレンドが終了し、あらたなアップトレンドを形成しつつある。となればこちらもほとんどの市場参加者が経験したことのない状況となっているはずである。
いわゆる未体験ゾーンということになり、金利があらたな動きを見せてきたといえる。ちなみに25日にはドイツの10年債利回りも一時、2011年7月以来の水準に上昇していた。