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8月の国別の米国債保有残高

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 米財務省が10月18日に発表した8月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、海外投資家による米国債の保有高は7兆5090億ドルとなった。前月の7兆5012億ドルから小幅増加した。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 8月の米10年債利回りは月初から上昇基調となった。1日に2.57%となっていたが、31日には3.2%台に上昇していた。FRB関係者の発言を受け、FRBが来年にも金融引締を緩めるとの見方が後退した。むしろ大幅な利上げが継続かとの見方が強まり、米10年債利回りが反転上昇したのが8月であった。

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、日本の米国債保有額は1兆1998億ドルとなり、前月比345億ドルの減少となったが、引き続きトップは維持した。

 2位の中国は9718億ドルとなり、前月比で18億ドルの増加。ちなみに中国人民銀行が発表した8月の外貨準備は492億ドル減となっていた。

 増加した国は英国やケイマン諸島など。大きく減少した国は日本となっていた。

 上位10か国の米国債保有額は下記の通り。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan)、1199.8、-34.5

中国(China, Mainland)、 971.8、+1.8

英国(United Kingdom) 、644.7、+10.1

ケイマン諸島(Cayman Islands )、307.3、+15.4

ルクセンブルク(Luxembourg) 306.0 +1.8

スイス(Switzerland)、294.9、+7.6

ベルギー(Belgium )、287.9、+2.4

アイルランド(Ireland) 、275.3 -1.9

フランス(France)、233.7、+0.9

台湾(Taiwan)、233.2、-6.7

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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