Yahoo!ニュース

ペロシ・ショックか、米中の緊張の高まりでリスク回避の動きに。ドル円は130円台に

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 ペロシ米下院議長は2日に台湾を訪問する見通しだと、同氏の計画に詳しい複数の関係者が明らかにした。ペロシ氏の訪台が実現すれば、現職の下院議長としては1997年のギングリッチ氏(共和)以来25年ぶり。関係者の1人によれば、蔡英文総統との会談は3日に予定されている(2日付ブルームバーグ)。

 中国は同氏が台湾を訪問すれば、外交関係に「重大な影響」が及ぶことになると警告していたことに加え、中国メディアは、ペロシ氏の訪台に対して中国人民解放軍は積極的な対応をとると示唆していた。

 ペロシ氏の台湾訪問により、米中の緊張が高まる懸念が強まり、金融市場ではリスク回避の動きを強める格好となった。

 すでに昨日の米国市場で米債はリスク回避の動きも出て、米10年債利回りは2.57%と前日の2.65%から低下していた。そして2日の東京時間になるとペロシ氏の台湾訪問が現実味を帯びてきたこともあり、米10年債利回りは2.54%とさらに低下した。

 外為市場ではリスク回避による円買いに加え、米長期金利の低下を受けてのドル安により、円買いドル売りの圧力が強まった。その結果、ドル円は、およそ2か月ぶりに130円台をつけてきた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事