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8月の海外投資家の米国債保有高は過去最高に

久保田博幸金融アナリスト
(写真:アフロ)

 米財務省が10月18日に発表した8月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、海外投資家による米国債の保有高は7兆5558億ドルとなり、5月連続で増加し過去最高を記録した。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 3月18日に米10年債利回りは1.75%近辺まで上昇した。ここが目先のピークとなり、その後、1.7%近辺で推移後、米10年債利回りはダウントレンド入りした。8月に入り、1.2%を割れたあたりから利回りの低下トレンドがストップし、今度は上昇トレンドとなってきた。

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、日本の米国債保有額は1兆3198億ドルとなり、前月比96億ドルの増加となり、引き続きトップを維持した。

 2位の中国は1兆470億ドルとなり、前月比で213億ドルもの減少となっていた。参考までに8月末の中国の外貨準備高は7月末比38億ドル減少の3兆2321億ドルとなっていた。

 増加した国は日本のほか、英国が大きく、アイルランド、ルクセンブルクそしてフランスなど。減少額はやはり中国が大きかった。台湾も減少。

 上位10か国の米国債保有額は下記の通り。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan)、1319.8、+9.6

中国(China, Mainland)、1047.0、-21.3

英国(United Kingdom) 、569.0、+29.5

アイルランド(Ireland) 、326.1 +6.4

スイス(Switzerland)、294.7、-3.6

ルクセンブルク(Luxembourg)、293.9 +2.3

ケイマン諸島(Cayman Islands )、249.1、-0.8

ブラジル(Brazil)、249.0、+0.5

フランス(France)、238.6、+2.3

台湾(Taiwan)、237.2、-5.1

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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