投資家や取引参加者をはじめとした市場利用者にとっての信頼性・利便性をより向上し、流動性の向上を図る観点から、次期デリバティブ売買システム(J-GATE3.0)が9月21日に稼働する。

 この稼働に合わせて、大阪取引所及び東京商品取引所の取引制度の見直しが行われるようである。

 まず、取引時間の拡大が実施される。大阪取引所に上場している長期国債先物(以下、債券先物)や日経平均先物などは現在、ナイトセッションで朝の5時半まで取引されているが、それが6時まで延長される。これによってニューヨーク市場は冬時間の場合、東京時間で朝6時まで開いていることでニューヨーク市場がカバーされることになる。

 ちなみにJ-GATE3.0への移行作業のため、9月17日のナイトセッションにおける取引は停止される。また、J-NET(立会外)取引がいつもよりも数分早く終了する。債券先物のJ-NETは通常、15時15分までだがこれが、15時13分頃までの前倒しとなる点にも注意する必要がある。

 株式関係では、指数オプション取引の日中立会開始も午前8時45分に前倒しされる(現在は午前9時)。

 ほかにもいくつか変更点があるが、債券市場絡みでは、債券先物オプションの権利行使価格の刻みが変更されることにも注意したい。

 債券先物オプション取引の権利行使価格の刻みについて、現在の「50銭刻み」から「25銭刻み」に変更される(こちらは21日の夕方に設定されて22日からとなる)。

 ここにきての債券先物の値幅は10銭に満たない日も多く、水準も151円台から152円台の非常に狭いレンジ内で動いており、50銭刻みの権利行使価格の刻みでは商いそのものも限られてしまう。これが25銭刻みとなればよりオプション取引の取引機会も増えることも確かであろう。

 また、新規設定や追加設定の権利行使価格の本数については、権利行使対象先物限月取引の清算値段に最も近接する権利行使価格を中心として「上下10種類ずつの合計21種類」から「上下20種類ずつの合計41種類」に変更される。

 日経平均オプション(Weeklyオプション)取引に係る権利行使価格の数の見直しも行われ、日経平均の最終の数値に最も近接する権利行使価格を中心として「上下8種類ずつの合計17種類」から「上下24種類ずつの合計49種類」に変更される。

 取引所では超長期国債先物取引における取引単位及び即時約定可能値幅の見直しについても検討されているようである。

 日本初の金融デリバティブ商品となった債券先物取引は、以前に比べて取引が閑散になったとはいえ、一定量の商いがある。これは海外投資家などによるトレードが入っているためと思われる。それに対して超長期国債先物の商いは、ない状態が続いている。

 日本の債券先物は1つの中心限月に商いが集中するという、ある意味、珍しい性質を持っている。これによって中期や超長期の先物が上場されてもなかなか取引が増加してこなかった。これが取引単位の見直しなどで少しでも参入者が増えるのかどうかも確認したいところか。

 今回のJ-GATE3.0の稼働によって債券先物などの商いそのものに大きな影響はないと思われる。しかし、今後はいずれ国債の価格が再び大きく動く日がやってこないとも限らない。そのための壁は厚いものがある。それでも日銀の金融政策に多少なり修正が入るなり、国債の信認に対し動揺が走るといった可能性は完全には否定もできない。いったん走り出すと止まらないのも相場であり、動きだした際にはこれらデリバティブの働きも大きくなる。このため、J-GATE3.0についても念の為、確認しておいた方が良いかと思われる。