OPECプラスは合意なく原油先物価格は乱高下、77ドル近辺の節目を抜けると100ドルも
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は合意に至らず、5日に再開を予定していた閣僚級会合を中止した。数日間の緊迫した協議を経てもサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)の厳しい対立は解消できなかったと、複数の代表が非公開の情報だとして匿名で語った(6日付ブルームバーグ)。
今回、OPECプラスは、8月から12月にかけて減産規模を日量200万バレル程度縮小するほか(つまりその分は増産となる)、当初2022年4月までとしていた減産期間を2022年末まで8か月延長することについて討議していたようである。
アラブ首長国連邦(UAE)は一段の減産縮小には賛成したものの、減産の延長については受け入れを拒否した模様。減産の基準になるベースラインが低すぎるとし、引き上げるよう求めたという(6日付ロイター)。
これにはサウジアラビアとUAEとの関係悪化も影響しているようであり、米国が調停に乗り出すとの観測も出ている。
8月以降の減産縮小見通しがいったん消えたことで、5日の原油価格は上昇した。北海ブレント原油先物は会合中止と伝わった後に急伸し、2018年以降で初めて一時77ドルを超えた。WTIの先物価格も一時、76ドル台前半と2年9か月ぶりの高値をつけていた。
しかし、6日の原油先物は先行き不透明感の強まりで、大幅反落となり、WTI先物8月限は1.79ドル安の73.37ドルとなっていた。
状況は流動的で、OPECプラスの協議はいつ再開してもおかしくないともされているが、このまま意見がまとまらない可能性も残る。
WTI先物のチャートをみると、77ドル近辺が前回の高値となっている。ここを抜けて80ドルあたりに上昇すると、次の目処は100ドルあたりとなる。