新型コロナウイルスの感染急拡大で欧州はロックダウン入り、これによる経済への影響も注意か
英国では、イングランド南東部とウェールズ南部を中心に、新型コロナウイルスの感染急拡大に歯止めがかからず、ジョンソン首相はイングランドで施行中の3段階での警戒制度に、新たに4段階目の「自宅待機」を導入した。
20日からロンドン全域、ケント州、ポーツマスなど、イングランド南東部を中心に、多数の自治体に適用。3度目のロックダウンとなる。さらにイングランドのより広い地域にロックダウンを拡大することを検討しているとされる。
ジョンソン首相はクリスマス期間中にソーシャルディスタンス規制を大幅に緩和するとしていたが、その方針を撤回せざるを得なくなった。
英国での新型コロナウイルスの感染急拡大には、新型ウイルスの変異種「VUI-202012/01」が関連しているとみられる。ジョンソン首相はこの変異種について旧来種より最大70%高い確率で感染しやすい可能性があると述べていた。
1週間前に厳格なロックダウンを導入しているドイツでは新型コロナウイルス感染症による死者数が23日朝までの24時間に986人に達し、パンデミック開始以来の最多を記録した。変異種が既にドイツに入っている可能性が極めて高いとの指摘もある。
英国とEUの通商交渉は大詰めに入っていると伝えられ、23日の欧州市場では株式市場は上昇し、リスク回避の巻き戻しにより欧州の国債は総じて売られていた。
大きな懸念材料となっていた英国とEUの通商交渉はぎりぎりで合意を得ることができたとしても、今度は新型コロナウイルスの感染急拡大とそれによるロックダウン、さらにそれによる景気への影響を考えると、あらためて不安要因となり、金融市場にもあらためて影響を及ぼす可能性がある。
ワクチンの接種が今後は進もうが、ここにきての感染拡大のブレーキにはならないと思われる。