Yahoo!ニュース

海外投資家による5月の米国株への投資は過去最高を記録したとか

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 米財務省が7月16日に発表した5月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、日本は引き続きトップを維持していた。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES

 4月に入ると米10年債利回りは一時0.8%近くに上昇する場面もあったが、原油価格の下落などからリスク回避の動きを強めた。20日に原油先物価格がマイナスとなり、21日に米10年債利回りは0.6%を割り込んだ。しかし、その後は原油価格の回復とともに、米10年債利回りも上昇し、0.7%台を回復した。

 この間の米国株式市場の動きをみてみると、3月23日あたりを底にして回復基調となっていた。5月の対米証券投資統計(Net Foreign Security Purchases)によると、海外投資家による5月の米国株投資は797億ドルとなっていたが、ロイターなどによるとこれは過去最高を記録していたそうである。

参考サイト

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、5月の日本の米国債保有額は1兆2602億ドルとなり、前月比で58億ドル減少したが、引き続きトップは維持した。これに対して、2位の中国は1兆837億ドルとなり、前月比で109億ドルの増加となった。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan) 1260.2-5.8

中国(China, Mainland) 1083.7 +10.9

英国(United Kingdom) 393.5 +19.7

アイルランド(Ireland) 323.5 +23.2

ブラジル(Brazil) 264.4 +4.9

ルクセンブルク(Luxembourg) 262.7-2.8

香港(Hong Kong) 254.2 +11.4

スイス(Switzerland) 243.1 +1.8

ケイマン諸島(Cayman Islands) 216.1 +4.3

ベルギー(Belgium) 212.1 +1.9

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事