米消費者物価指数が前月比で7年10か月ぶりの上昇率に
米労働省が14日に発表した6月の米消費者物価指数は、前月比(季節調整済み)で0.6%上昇となった。4か月ぶりのプラスとなり、前月比の上昇率は2012年8月以来、7年10カ月ぶりの大きさとなった(15日付日本経済新聞電子版)。
価格の下落が続いていたガソリンが12.3%上昇し、6か月ぶりにプラスとなって全体を押し上げた。
4月に一時マイナスを付けた原油先物(WTI先物)は、その後じりじりと値を戻し、6月には40ドル台を回復してきた。
4月に原油先物がマイナスに転じたのは、現渡しといった先物特有の事情が絡んでいたことはたしかではあったが、新型コロナウイルスの感染拡大とその抑制のためのロックダウンなどで経済活動にブレーキが掛かり、原油需要が大きく後退した影響も大きかった。しかし、中国などを中心に原油需要が回復しつつあり、原油価格も反発してきた。
前年同月比ベースでは6月の消費者物価指数(総合)は0.6%の上昇、変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は1.2%上昇となっていた。
フロリダやアリゾナ、テキサスなど一部の州で新型コロナ感染者が急増していることから、ロックダウンが再開される可能性もある。しかし、原油先物価格の動きを見ると再びマイナスになるようなことは考えづらい。
原油価格についてはOPECプラスの協議の行方にも注意する必要がある。しかし、中国などの需要などによって、ある程度の価格が維持されると予想される。
原油価格の急激な落ち込みがない限り、ここからあらためてデフレ圧力が加わることは現状は考えづらい。