米国によるメキシコへの関税は停止されたようだが
米国のトランプ大統領は、メキシコが米国への不法移民流入問題でより強力な措置を打ち出さなければ、10日に5%関税を課す方針を示していた。10日という期限が近づくなか、両国はワシントンで3日間にわたり協議を行っていた。
その結果、トランプ大統領は7日に、メキシコ製品に対する5%の関税計画を「無期限で停止する」と発表した。
トランプ大統領はメキシコとの貿易に関して追加の措置を発表する可能性があることを示唆し、メキシコへの関税発動見送りに至った合意の一環として、メキシコが米国産農産物を「大規模」に購入することで合意したとツイートしていた。
これに対して7日夜に発表された関税発動見送りの共同声明には、トランプ氏がツイートで述べた農業貿易の取り決めは盛り込まれておらず、メキシコの当局者3人も付帯合意は一切承知していないと話している(ブルームバーグ)。
さらには合意事項に不法移民の流れを止めるための新たな抜本的内容が盛り込まれてないとの批判も出ていた。
大統領はツイッターで、「重要なことは、きのうの発表には、特に合意内容について含まれていなかったことがあるということだ。今後適切な時に発表される」とコメントしていた(ロイター)。
どうやらこの状況は、米国と北朝鮮との首脳会議での物別れ、さらには米国と中国との通商交渉の動向にも似ていたようにも思われる。
トランプ政権はメキシコへの関税というブラフによって米国にとって都合の良い条件を引きだそうとしたところ、ぎりぎりのところでメキシコ側の反対にあっているのではなかろうか。それでもとりあえず、メキシコ製品に対する5%の関税計画は停止されたようである。「無期限」というところも気になるが、これで本当に完全停止となったのかもやや疑問が残る。