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米長期金利が3%台乗せ、いずれ4%も視野か

久保田博幸金融アナリスト
FRBのデータなどを基に著者が作成

 4月24日に米10年債利回りは3.00%と2014年1月以来、4年3か月ぶりの3%台乗せとなった。25日には3.03%まで上昇している。米5年債利回りも一時、2009年8月以来の2.85%を付け、米2年債利回りは、2008年9月以来の水準となる2.50%を付けた。

 米10年債利回り、つまり米長期金利の3%台への上昇の背景については、いろいろな要因が絡んでいようが、ここでは単純に米10年債利回りのチャートから、今後の動きの目処を探ってみたい。

 2014年1月に米10年債利回りは3.04%までの上昇となっており、ひとまずここを抜けてくるかどうかに注目したい。

 2014年1月の3.04%を上回っていたのは、さらに遡り2011年7月の3.22%となる。そうなると3.04%を抜けてくると3.22%あたりまでは節目らしい節目はない。2011年4月に3.6%台、1月には3.7%台をつけていた。このまま米10年債利回りが上昇基調を強めるとなれば、4%あたりが次の目標値となる。

 FRBは今年も年3回程度の利上げを見込み、2019年も3回程度の追加利上げを見込んでいる。その結果、政策金利を長期の中立金利見通しである3%に達成させるという利上げシナリオを維持している。そうなれば今後の米金利のイールドカーブ次第の面はあるものの、長期金利の4%台乗せというのもありうるか。

 外部環境の違いで必ずしも過去との連動性があるわけではない。あくまで参考ながらも、FRBの政策金利を3%まで引き上げるとすれば、2008年2月以来となる。そして米10年債利回りの4%台乗せはそこまで遡らず、2010年4月に達成している。

 あくまでチャート上から見てではあるが、米10年債利回りが3.04%、3.22%あたりを上回ってくるとなれば、4%あたりまでの上昇も想定しておく必要があるかもしれない。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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