メンバーが大きく入れ替わったG7サミット

(写真:ロイター/アフロ)

イタリアのタオルミーナで26日から27日にかけて先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が開催されている。

石油ショックで世界経済が混乱した1973年にその対応を巡って日本、米国、英国、フランス、西ドイツの各財務相が集まった。これがG5の枠組みの始まりとなった。1975年にはこのG5にイタリアが加わっての首脳会議(サミット)がスタートする。1976年にカナダが、1998年にロシアが加わりG8となった。しかしクリミア侵攻をしたロシアが排除されて、その後はG7に戻っている。

今回参加するのは日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの首相となる。このうち前回の伊勢志摩サミットからは今回の主催国のイタリアと、米国、英国、フランスの首脳が変わった。つまりドイツのメルケル首相と日本の安倍首相、カナダのトルドー首相以外の4首脳が初参加となる。

昨年6月に英国は国民投票の結果、EU離脱が決定されてキャメロン英首相は辞意を表明し、保守党党首選挙の結果メイ首相が就任した。11月の米国の大統領選挙では予想外のトランプ氏の勝利となった。12月のイタリアの改憲を問う国民投票で大敗したレンツィ首相は辞任し、次期首相にジェンティローニ外相が指名された。注目の今年4月、5月に実施されたフランス大統領選挙では親EU派のマクロン氏が勝利した。

反グローバル派筆頭ともいえる米国のトランプ大統領ではあるが、形骸化が指摘されるG7の改革を提起するとの観測も出ている。G7の会議そのものにも懐疑的になる懸念がある。それに対してユーロ離脱を決定した英国のメイ首相がどう対応するのか。ドイツのメルケル首相とトランプ大統領の対立も予想され、ぎくしゃくしそうな首脳同士の橋渡しとして期待されているのがG7のベテランともいえる日本の安倍首相のようである。フランスのマクロン大統領にとってはいきなりの本格デビュー戦となるが、こちらの対応も気になるところ。

いずれにしても昨年の伊勢志摩サミットから世界の政治情勢は大きく変化してきている。中東や北朝鮮などの地政学的リスクも懸念材料となる。世界経済そのものはFRBが正常化路線を進められるほどには回復基調となっている。しかし、経済はさておき政治リスクが増加していることは確かであり、今回のG7はその政治リスクが試される場となりそうである。これまでのG7同士の関係とは大きく変化してくることも予想され、タオルミーナのG7は要注目となりそうである。

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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