Yahoo!ニュース

4日(水) 宮城県で積乱雲発達中 急な激しい雨・落雷に注意を

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
4日(水)昼頃 ミヤギテレビから見た西の空(著者撮影)

きょう4日(水)の宮城県内は、大気の状態が非常に不安定になっていて、昼頃からは急速に積乱雲が発達しています。

きょう13時の雨雲の様子(提供:ウェザーマップ)
きょう13時の雨雲の様子(提供:ウェザーマップ)

この大気の不安定な状態はきょういっぱい続くため急な激しい雨や落雷、竜巻などの突風に注意が必要です。

不安定の原因は元熱帯低気圧と弱い太平洋高気圧

雷雲の材料になるのは暖かく湿った空気です。この暖かく湿った空気を持ち込んだのが元熱帯低気圧です。

きょう13時の衛星可視画像 赤く囲った部分が元熱帯低気圧(ウェザーマップ提供のものに著者加工)
きょう13時の衛星可視画像 赤く囲った部分が元熱帯低気圧(ウェザーマップ提供のものに著者加工)

きょう13時現在、北海道の西にある雲の塊が元熱帯低気圧で、きのう3日(火)は近畿地方にありました。

宮城県からは離れた所を通っていますし、既に弱まって熱帯低気圧でもなくなっていますが、この元熱帯低気圧が“置き土産”として非常に湿った空気を残していったため雷雲が湧きやすくなっています。

またもう一つの要因は太平洋高気圧です。ここのところ晴天と猛暑をもたらしている太平洋高気圧は、もう天気図上では「高」マークが描かれないくらいに力が弱まり始めています。

きょう午前9時の実況天気図と衛星赤外画像(提供:ウェザーマップ)
きょう午前9時の実況天気図と衛星赤外画像(提供:ウェザーマップ)

高気圧にしっかり覆われていれば、上から圧力がかかるので雨雲は発達しにくいのですが、その圧力が弱まったことで雨雲が上へ上へと発達しやすくなっています。

さらにこの元熱帯低気圧と太平洋高気圧の間で風がぶつかり合っています。

きょう正午の最大瞬間風速 山形の西風と宮城の東風がぶつかり合っている(提供:ウェザーマップ)
きょう正午の最大瞬間風速 山形の西風と宮城の東風がぶつかり合っている(提供:ウェザーマップ)

元熱帯低気圧からは反時計回りで西風が、高気圧からは時計回りで南東からの風が吹いていて、この2つの風がちょうど宮城県付近でぶつかり合うことで積乱雲が一層発達しやすい環境になっています。

この状況はまだ今夜遅くにかけて続く見込みです。急な激しい雨や落雷などに十分ご注意ください。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

小杉浩史の最近の記事