ガソリン価格は2週連続で下落、新型肺炎の影響はこれから

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」によると、2月3日時点のレギュラーガソリン小売価格の全国平均は1リットル=151.2円となり、前週から0.3円値下がりした。これでガソリン価格の値下がりは2週連続になる。

昨年10月の米中通商合意を受けての世界的な株高環境、更に今年は年初に中東の地政学リスクが高まったことを背景に、1月20日には2018年11月26日以来の高値となる151.6円まで値上がりしていた。しかし、その後は国際原油価格が急反落していることもあり、2週間で0.4円という緩やかなペースではあるが、ガソリン価格は値下がりし始めている。

このような値動きだけをみると、中国を中心に広がりを見せる新型コロナウイルスの感染被害の影響が出始めたと勘違いされ易い。しかし、現在のガソリン小売価格に対する新型コロナウイルスの影響は限定的だろう。原油調達コストとガソリン価格との間には2~3週間程度のタイムラグが発生するのが一般的であり、足元の原油安は主に1)米国とイランとの全面的な軍事衝突が回避されたことに伴う安堵感、2)季節的な国際原油需給の緩和見通しを反映したものに過ぎない。

新型コロナウイルスの影響を織り込むのはこれからであり、ガソリン価格は更に値下がりし易い。NY原油価格をみてみると、1月8日の1バレル=65.65ドルをピークに、2月4日には一時49.31ドルまで、最大で24.9%急落している。ただ、足元のガソリン小売価格の急落はこの急落地合の初期段階の値動きを反映したものに過ぎず、これから原油価格が突然に急反発するようなことがなければ、更に値下がりする可能性が高い。

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国内指標となる東京商品取引所(TOCOM)のガソリン先物価格(期近物)は、1月8日の1キロリットル=6万2,400円から、2月5日時点では5万0,520円まで、最大で1万1,880円下落している。1リットル当たりだと11.88円の値下がりであり、このまま国際原油価格の低迷状態が続けば、ガソリン価格は昨年9月17日の142.90円水準まで更に下落する可能性も十分にある。

中国の新型コロナウイルスは、市民生活のみならず実体経済にも大きな影響を及ぼしている。各国が中国との間で、そして中国国内でもヒトとモノの移動を制限する動きが強くなっており、輸送用エネルギーとしてのジェット燃料、重油、ガソリンなどの需要は大きく落ち込んでいる。

中国国内の製油所は末端の石油製品需要の減少に対応するため、2月には製油所稼働率を大幅に引き下げる方針とみられる。当然に原料である原油のニーズも低下することになり、輸入契約のキャンセル、輸入量の削減といった動きも報告され始めている。このまま中国経済の停滞が更に深刻化、長期化すると、原油価格の低迷状態が日本のガソリン価格も更に押し下げる可能性が高まる。

新型コロナウイルスに伴う原油安効果がガソリン価格に反映されるのはこれからである。人の集まる観光地へのドライブは躊躇されがちな状態だが、ガソリン価格はドライバーの財布に優しい状態に向かい易い。

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