収穫期に豪雪被害か、米国産トウモロコシに不作の脅威

(写真:アフロ)

トウモロコシ価格が約2ヵ月ぶりの高値を付けている。北半球では春先に作付けされたトウモロコシが収穫期を迎えている。しかし、世界最大のトウモロコシ生産国である米国において、気象環境が不安定化していることで、予想されていた収量を確保できなくなる可能性が浮上しているためだ。

指標となるCBOTトウモロコシ先物価格は、10月8日の取引で1Bu=396.50セントと400セント台乗せを窺う展開になっているが、これは直近安値を付けた9月9日の352.25セントから12.6%の値上がりになる。

米農務省(USDA)によると、10月6日時点の収穫進捗率は15%となっており、まだ未収穫のトウモロコシが大量に農地に残された状態にある。しかし、9月下旬には記録的な豪雨で収穫作業が進まなかったことに加えて、今週は穀倉地帯北部からカナダにかけて記録的な豪雪が観測されるとの予報が出ていることで、品質や収量に対して更に大きな被害が生じる可能性が浮上している。

10月入りしてからの寒波の影響で、前週時点でもノースダコタ州で今季初の降雪が観測されるなど、気象環境は不安定化していた。しかし、今週は冬型の嵐が穀倉地帯を直撃する見通しであり、最大で60センチ程度の降雪が観測される可能性も指摘されている。

実際にどの程度の生産障害が発生するのかは不確実だが、トウモロコシ相場は受粉期を終え、天候要因での不確実性を抱えたいわゆる「天候相場」は終ったとの評価に傾いていただけに、季節外れの豪雪予報がトウモロコシの供給不安を高めている。

今季は春先にも豪雨が観測されたことで作付け作業に遅れが生じ、例年と比較して厳しい作柄環境に置かれている。しかも、その影響で収穫作業が終わる時期も例年より遅れることになるが、それだけに例年よりも早く降霜や降雪といった冬型の気象環境になると、生産高見通しの下方修正を迫られ易くなっている。その意味では、春の作付け環境悪化の余波がまだ続いているとの評価も可能だろう。

10日にはUSDAの月例需給報告(WASDE)が発表されるが、9月1日時点の四半期在庫が既に大幅に下方修正されているだけに、今回は新穀、旧穀ともに在庫見通しの大幅な下方修正が確実な情勢にある。しかも、新穀のイールド予想が楽観的に過ぎたのではないかとの議論も浮上しているタイミングで、新たな天候リスクを抱えていることに対する警戒感は強い。需給バランスは適度にひっ迫化する見通しとあって、トウモロコシ価格は上昇し易い環境にあったが、今週の雪嵐(snow storm)の被害状況によっては、一段と堅調な値動きが続き易くなる。

国内では、安倍首相が米国産トウモロコシの購入について「米国と合意していない」と発言したことが話題になっているが、そもそも米国において輸出用のトウモロコシが大量に余る事態は回避される可能性も浮上しているのが現状である。トランプ政権は、貿易相手国に対する輸入拡大要請に加えて、バイオ燃料政策の見直しなどトウモロコシの需要喚起に動いているが、不作によって大量の在庫を抱える事態が回避されるシナリオが現実味を増している。