ガソリン価格は10週ぶりに値上がり

(写真:アフロ)

資源エネルギー庁が8月31日に公表した「石油製品価格調査」によると、8月29日時点のレギュラーガソリン価格(店頭現金小売価格、全国平均)は、1リットル当たりで前週の121.7円から122.2円まで0.5円値上がりした。6月27日の124.0円をピークに8月15日の121.7円まで7週連続で下落した後、前週は121.7円と8週間ぶりに値下がりを回避していたが、今週は10週間ぶりに値上がりに転じている。

8月入りしてからは、国際原油価格の反発を受けて原油調達コストが急上昇しており、こうしたコスト環境の変化が漸くガソリン小売価格にも波及し始めたのが現状とみている。8月下旬に入ってからは国際原油価格がやや軟化し始めているが、このタイミングで為替市場で円安圧力が強まる中、原油調達コストの大幅な値下りは回避されている。

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■OPECの政策期待を背景とした原油高は続かず

国際指標となるWTI原油先物価格は、8月3日の1バレル=39.19ドルを底値に同19日の49.36ドルまで、2週間強で25%以上の値上がりになっている。これを受けて、東京商品取引所のドバイ原油先物価格(期近物)も1キロリットル=2万4,630円から2万8,450円まで急伸しており、これだけで原油調達コストは1リットル当たりで3.8円上昇した計算になる。

石油輸出国機構(OPEC)が9月26~28日の非公式会合において、増産凍結といった協調政策を打ち出す可能性が期待・警戒されており、原油安に一応の歯止めが掛かったことが好感されている。ただ、ここにきてサウジアラビアやイラン、イラクなどからOPECの政策調整を巡る議論とは一定の距離感を示す動きも報告されており、OPEC主導の原油高シナリオには懐疑的な見方が強まり始めている。

しかも、このタイミングで米国の早期利上げを巡る議論が活発化したことで、米金利上昇とドル高圧力も原油価格に対する下押し圧力となり、WTI原油価格は直近の8月30日終値では46.35ドルまで下落している。すなわち、原油調達コストの急伸傾向にはブレーキが掛かり始めている。目先は40ドル台前半までの値下りを想定している。

■9月のガソリン価格は120円台前半が中心か

もっとも、こうした米国の早期利上げを巡る議論は円安(ドル高)を促すことで、日本の原油調達コストは高止まりしており、9月はこれまでの原油価格上昇の転嫁が進むことが、ガソリン価格を押し上げ易い地合が続く見通しである。引き続き、120円台前半を中心とした値動きを想定しておきたい。

秋の行楽シーズンに向けては、海外原油市場の調整安が更に進み易いことで、一時的に120円台を割り込む可能性も残されている。ただ、年後半には余程の暖冬や世界経済の急減速などがなければ国際原油の過剰供給状態は解消される見通しであり、徐々に海外原油主導で値上がり圧力が強まる方向でみている。9~10月期に値下がりした所が今年最後の安値であり、その後は今年最高値124.0円突破から120円台後半まで、時間をかけてじり高の展開が続く見通しである。