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NY原油28日:過剰供給懸念の蒸し返しで反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油2月限 前日比1.29ドル安

始値 38.00ドル

高値 38.09ドル

安値 36.66ドル

終値 36.81ドル

過剰供給懸念を蒸し返す形で反落した。

特に目新しい材料などは見当たらなかったが、クリスマス休暇前に売りポジションの整理が進んでいたことで、改めて売り込む動きが活発化している。何らかの材料に反応したというよりも、過剰供給の長期化リスクを織り込む動きが再開された模様。アジア・欧州タイムに特に大きく下落している。ニューヨークタイム入り後は36ドル台後半で下げ一服となったが、反発力は限定されている。

12月の原油相場は14日の34.53ドルをボトムに切り返しを見せているが、何か大きなポジティブ材料が浮上している訳ではない。単純なポジション調整に伴う買い戻しであり、クリスマス休暇明けで逆に割高感が意識された模様。2016年にかけて過剰供給状態が持ち越されるとの見通しにも変化はなく、早くも来年に向けて高値で売りポジションを構築する動きが優勢になっている。

年末に向けては薄商いの中で方向性が定まりづらいが、原油相場の基調が下向きとの判断に修正を迫る必要性は乏しい。過剰供給是正を促すには、いずれにしても原油安が必要との見方が強く、35ドル割れ定着を打診するステージが続く見通し。季節要因から在庫積み増し傾向にブレーキが掛かり易いことに注意が必要だが、自立反発的な動きに留まろう。年末に向けてショートカバーが膨らむリスクは残るが、原油相場が本格的に上昇するシナリオを描くことは難しい。

マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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