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NY金19日:FOMC議事録後のドル安で反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比9.20ドル高

始値 1,069.30ドル

高値 1,086.60ドル

安値 1,068.30ドル

終値 1,077.90ドル

為替がドル安方向に振れたことを受けて、ショートカバー(買い戻し)主導で反発した。

前日引け後に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(10月27~28日開催分)議事録が公表された直後は、12月利上げ方針が再確認されたことを受けて、ドル高圧力が優勢になった。しかし、2016年の金利軌道については特に踏み込んだ言及が見られなかったことで、その後はドルの買いポジションをクローズする動きが優勢になり、それと連動する形で金市場でもショートカバーが膨らんだ。欧州タイムには戻りを売り込む場面も見られたが、ニューヨークタイムに入ると更に上値を試す展開になり、一時は上げ幅が二桁に達している。

12月利上げの可能性がほぼ確実視される中、マーケットの関心は徐々に初回利上げ後の金利ペースにシフトしている。しかし、この点に関しては「漸進的」な利上げ方針が確認されるのみであり、少なくとも10月会合段階では特に踏み込んだ議論は見られなかった。

クリーブランド連銀のメスター総裁は、初回利上げ後の軌道は「漸進的」になるとの見通しを再確認している。また、こちらは引け後になるがアトランタ連銀のロックハート総裁は、「漸進的」とは毎会合での利上げを意味しないとの見解を示している。2016年の金利軌道については12月会合で本格的に議論される見通しだが、当面は1会合おきの利上げに留まる可能性が高く、こうした見方が本日はドルの反落を招いている。

もっとも、低インフレ環境において米国が利上げサイクル入りする中、ここからドル安トレンドに転換するような事態は想定しづらい。FOMC議事録に対する期待感が高かった反動がドル安を促した模様だが、一時的な戻り圧力との評価で十分だろう。このまま米経済の底固さが確認できれば、今後は利上げペースの加速も当然に検討対象になる。10月下旬から急落傾向が続いているためにリバウンドリスクには注意が必要だが、1,050ドル、1,000ドルと下値切り下げを打診する展開は維持される見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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