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NY金4日:イエレンFRB議長のタカ派発言を受けて、続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比7.90ドル安

始値 1,117.40ドル

高値 1,122.30ドル

安値 1,105.60ドル

終値 1,106.20ドル

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が改めて年内利上げの可能性に言及したことを受けて、続落した。

アジアタイムには自律反発的な動きがみられたが、1,120ドル台前半までの切り返しで精一杯。その後はドル高連動で下値追いの展開となり、特にイエレンFRB議長の議会証言後は下落ペースを加速させ、1,105~1,110ドルのレンジまで値位置を切り下げている。

イエレンFRB議長は、「米経済は順調」との見方を示した上で、「12月の行動は適切となる可能性があると考えた」と、前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策変更の是非を精査するとの方針を示したことを解説した。あくまでも12月の利上げは「未決定」で「データ次第」としているが、FOMCまでに発表される米指標が一定の底固さを示せば、年内利上げの可能性は決して低くないことが示された格好になっている。ニューヨーク連銀のダドリー総裁も、こうした議長の意見に完全な同意を示しており、米金融政策の正常化プロセスに対する警戒感が、改めて金相場の上値を圧迫している。

概ね予想されていた通りの発言内容とあって金相場の急落を促すまでのインパクトは確認できなかったが、ドルインデックスは戻り高値を更新しており、金相場に対する売り安心感は一段と強くなっている。本日は原油を筆頭とした商品市況全体が調整色を強めたことも、購買力指標としての金価格に対してはネガティブ。

一方、11月6日に発表される10月米雇用統計の先行指標として注目されるADP雇用統計では、民間雇用者数が前月比+18.2万人となった。市場予測+18.0万人を上回っており、一定の底堅さを示すことに成功している。製造業が-2,000人になるなど、ドル高や海外経済減速の影響も見受けられるが、全体としては利上げ着手を阻害するようなネガティブな内容になっていない。

今後も経済指標や要人発言を打診しながらの展開になるが、このまま12月利上げの可能性を織り込む展開が維持できれば、ドル高連動で1,100ドルの節目割れから年初来安値1,072.30ドルを打診する流れになろう。ドルに対する割高感は大分薄れてきているが、ドル高・商品安のトレンドが維持される中で、金価格が大きく上昇する必要性は見出せない。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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