NY金3日:米金融当局者発言を控える中、ドル高連動で大幅続落
COMEX金12月限 前日比21.80ドル安
始値 1,132.90ドル
高値 1,138.00ドル
安値 1,113.60ドル
終値 1,114.10ドル
米早期利上げ警戒から為替相場が大きくドル高方向に振れる中、金相場は大幅続落となった。
アジアタイムは1,135ドル水準で揉み合う展開になったが、欧米タイムにドル高圧力が強くなったことを受けて、金相場も下値追いの展開に。概ね5ドル単位でストップロスを巻き込む動きがみられ、終日下げ幅を拡大する展開になっている。
本日は特に目立ったイベントなどが見当たらなかったが、明日にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言が控えていることで、金融政策についてタカ派な意見が出てくるリスクが警戒されている模様。議長が公式の場で発言するのは、12月利上げ着手の検討を行う意向を表明した10月米連邦公開市場委員会(FOMC)後で初めてのものであり、米国の早期利上げ警戒・期待を裏付けるものになると、更にドル相場高・金相場安の動きが加速するリスクがある。同日にはフィッシャーFRB副議長やニューヨーク連銀ダドリー総裁の講演も控えているが、このメンバーからは少なくとも改めてハト派見通しが強まるような発言が出てくることはないとの見方が、金相場に対する売り安心感を強めている。
ドルインデックスは8月上旬以来の高値水準にある一方、その当時の金相場は1,100ドル台を割り込んでいた。なお金価格には割高感が目立つ状況にあり、このままドル高トレンドが維持されれば、1,100ドルの節目を下抜く展開となろう。原油相場が戻り歩調を強めていることが大きなリスク要因になるが、このまま本格的な原油相場高に発展する可能性は低く、下落スピードを抑制する程度の効果を想定しておけば十分と考えている。