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NY金30日:経済指標は強弱まちまちも、根強い利上げ警戒で続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比5.90ドル安

始値 1,146.60ドル

高値 1,149.80ドル

安値 1,138.40ドル

終値 1,141.40ドル

米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げに対する警戒感が強く、続落した。

アジア・欧州タイムは週末・月末を控えての買い戻す動きもあり、1,145~1,150ドルのレンジでやや底固い展開になった。しかし、1,150ドルの節目に抵抗を受けたことでニューヨークタームは改めて売り圧力が強まり、一時1,140ドル台を割り込むなど戻し売り優勢の展開が維持されている。為替はドル安方向に振れたが、なお利上げ警戒ムードが強く、下値切り下げ傾向が維持されている。

本日は主要経済指標が多数発表されているが、強弱まちまちとなった。10月シカゴ製造業PMIが前月の48.7から56.2まで急伸したことはネガティブだが、10月ミシガン大消費者マインド指数は速報の92.1から90.0まで下方修正されるなど、早期利上げ観測を一段と強化するような動きは見送られている。9月PCEコアデフレータも前年同月比+1.3%となり、前月からは横ばいに留まっている。

ただ、マーケットではなお年内利上げ着手に対する警戒感が強く、本日は1,150ドルの節目を完全に下抜く展開になっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)で12月会合で利上げ着手の是非を検討する方向性が示されているが、その流れを阻止するような動きが見られないことが、金相場に対する売り安心感を強めている。

なおドルインデックスやCRB商品指数との比較では割高感の目立つ価格水準にあり、11月6日に発表される10月米雇用統計が前月に続いてネガティブ・サプライズになるようなことがなければ、1,100ドル割れを打診する流れとなろう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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