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NY金14日:反発FOMC待ちで小動き

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比4.40ドル高

始値 1,107.00ドル

高値 1,109.80ドル

安値 1,102.60ドル

終値 1,107.70ドル

米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちのムードが強く前日終値を挟んでの展開になるも、反発した。

9月16~17日にFOMC開催を控える中、積極的な売買が見送られている。市場のボラティリティの高さから利上げ見送りとの見方が一般的だが、サプライズ的に利上げに踏み切る可能性も完全に払拭できないことで、仕掛けづらい地合になっている。米実体経済そのものは利上げ着手を支持していると見られるが、最近の中国経済の減速懸念や金融市場のボラティリティ上昇をどのように評価するのかは意見が分かれており、ポジションを一方に傾けづらくなっている。本日も前日終値を挟んで押し目買いと戻り売りが交錯し、最終的にはプラス圏で引けたものの方向性が定まっていない。

ただ、現時点では9月、10月、12月のどのポイントで利上げに踏み切るのかが検討されているに過ぎず、利上げ議論そのものが破綻したと見る向きは殆ど存在しない。引き続き金上場投資信託(ETF)からの資金流出が続いていることもあり、金相場に関しては売り安心感が強い。

1,100ドルの節目水準でサポートを受けているが、改めて金融市場に大きな混乱が生じるような事態が回避できれば、同水準は完全に割り込む方向になるだろう。少なくとも反発余地は限定された相場であり、一時的な戻り圧力の有無との視点で十分と考えている。1,100ドル割れから直近安値1,072.30ドルを窺う展開が続く見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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