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NY原油3日:株高連動で続伸、ロシア・ベネズエラは連携で合意

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比0.50ドル高

始値 46.11ドル

高値 48.42ドル

安値 45.65ドル

終値 46.75ドル

世界的な株高傾向が好感され、期近限月主導で続伸した。

中国市場が抗日戦勝行事で4連休入りする中、世界の株式相場は総じて底固く推移している。中国発の株安が小康状態を迎える中、株式市場では安値是正の動きが優勢になっている。原油市場ではこうした株価動向に対する関心が引き続き高く、本日は株高連動で地合を引き締めている。特に、ニューヨークタイム入り後はまとまった買いが入り、一時48.42ドルまで値位置を切り上げている。しかし、その後は株式相場の上げ幅縮小と連動して戻り売り圧力が強まり、上げ幅を削って引けた。

ベネズエラとロシアは、原油価格を押し上げる取組みでの連携で合意したと発表した。ただ、ロシアは減産対応には否定的な立場を維持したことで、マーケットでは石油輸出国(OPEC)とベネズエラの協調減産は困難との否定的な評価の方が優勢になっている。ベネズエラのマドゥロ大統領は原油市場を安定化させるための提案があるとしているが、なおOPECとロシアの協調減産が実現する可能性は低く、政策減産による原油価格の急騰リスクは後退している。

もっとも、ドル高環境に逆行高となるなど、改めて原油相場を売り込むような動きは鈍い。基本的には2ヶ月にわたる急落地合に対する修正局面と評価しているが、マーケットの関心が需給よりも株価動向に集中している以上、短期スパンでは不安定な地合が続き易い。ただ、需給リバランスの必要性がこれによって薄れた訳ではなく、今後は株価動向のインパクトが限定される動きと連動して、徐々に戻り売り優勢の地合に回帰しよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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