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NY原油16日:ドル高で続落、ガソリン相場は反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油8月限 前日比0.50ドル安

始値 51.62ドル

高値 52.17ドル

安値 50.86ドル

終値 50.91ドル

為替相場でドル高傾向が維持されていることが嫌気され、続落した。ただ、ガソリン相場が反発したこともあり、下げ幅は限定された。

国際原油需給に対しては緩和評価が優勢になる中、需給要因から買い進むような動きは見られない。石油輸出国機構(OPEC)が積極的な増産政策を展開する一方、OPEC非加盟国の生産調整の動きも抑制されたものになる中、需要の上振れでも需給ギャップの解消は困難な状況になっている。ただ、需給要因で大きく下押しするような動きは鈍く、本日は専らドル高要因で下値切り下げを打診する展開に留まっている。

特に需給面での新規材料は見当たらないが、需給要因で買いを入れる必要性が見当たらない中、ドル高環境では素直に売られ易い地合になっている。ガソリン相場は、なおドライブシーズン中とあって不安定な値動きを見せているが、時期的にここからガソリン主導で原油相場が急伸するようなリスクは限定されよう。

このままドル高傾向が維持されることを前提にすれば、50ドルの節目割れを打診する展開が想定できる。イラン核協議の進展でイラン産原油の動向も注目される所であり、50ドル台前半のボックス相場は下放れする展開となる可能性が高い。需給緩和状態はほぼ評価が固まっているだけに、後はドル高の進捗状況を眺めながらの相場展開になる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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